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1.通販の同梱物とは?

同梱物とは、商品と一緒に送付するさまざまなアイテムのことを指します。具体的には、挨拶状や商品の説明書・活用法などを掲載したパンフレット、割引クーポンといった印刷物・広告物などが該当します。
1‐1.同梱と同封の違い
同梱と似た言葉に「同封(どうふう)」がありますが、2つには明確に違う意味があります。「同梱」は、複数のものを1つの箱にまとめて送ることを意味します。一方、「同封」は箱ではなく封書にものを入れることを指します。
2.同梱物の大切な役割
D2CやECにおいて、同梱物が果たす役割は5つあると考えられます。
2‐1.顧客のファン化
同梱物は、顧客をブランドのファンへと変化させる強力なツールです。例えば感謝の気持ちを込めた手書きの挨拶状を送ることで、大切な顧客に特別な想いを伝えられます。
ブランドのストーリーや、商品への想いを伝えるブランドブックも効果的です。商品やブランドを深く理解することで、ユーザーは購入の喜びをさらに感じ、ブランドへの愛着が深まります。
これらのアプローチを通して、顧客を単なる購買者から、ブランドと継続的に関与する「ファン」へと変化させることが可能となり、LTV向上につながります。
2‐2.リピート促進
同梱物は、リピート購入を促進する効果的なツールとしても活用できます。同梱物でお得感や驚きの感情を引き出すことで、顧客の再購入意欲を刺激します。
例えば次回購入で使えるクーポン券を同梱すると、再度ショップで購入する確率を高めることができます。SNSのフォローを促進するチラシを入れると、顧客が同梱物を処分してしまった後でも、ブランドと顧客がつながり続けられます。
2‐3.クロスセル促進
同梱物を活用することで、クロスセルの促進にも寄与します。クロスセルとは、ある商品を購入した顧客に対して、関連するものや購入に役立つ他の商品を提案し、販売を促す手法です。
具体的には、化粧品の購入者にスキンケア製品のパンフレットやクーポンを送るなどが考えられます。こうした同梱物で顧客が関心を引き、別の商品を購入するきっかけを作れます。
関連商品のサンプルを同梱するのも有効です。直に商品を体験してもらい、その良さを実感してもらうことで、新たな購入を促すことが期待できます。
2‐4.定期購入(サブスクリプション)の解約阻止
同梱物で顧客の商品に対する楽しみや期待感を喚起することで、定期購入(サブスクリプション)を続ける動機付けにつなげられます。
同梱物の内容としては、次回配達物に関する情報をまとめたパンフレットや、特典クーポン、新商品の試供品などが挙げられます。それぞれの同梱物により、顧客の定期購読解約を未然に防ぐ効果を期待できます。
2‐5.情報収集
同梱物は事業者にとって、重要な情報収集ツールにもなります。例えば商品や店舗に関するアンケートを同梱して回答を促すことで、商品やサービスへの満足度、改善してほしい点や要望などを直接聞くことが可能です。
顧客からの生の声は、商品改善やマーケティング戦略の立案にとても有益です。また顧客の声は、新たな商品開発のヒントにもなります。アンケートの回答者に次回購入時の割引クーポンなどを提供すれば、アンケート回収率を高めつつ、リピート購入の促進にもつなげられるでしょう。
3.同梱物のメリット

同梱物にはいくつもの重要な役割があることが、おわかりいただけたかと思います。それに加えて、同梱物はEC事業者にとっていくつものメリットがあります。
3‐1.ポジティブな印象を獲得しやすい
通販の同梱物は、顧客に対してポジティブな印象を与える絶好の手段であると言えます。同梱物は商品そのものと一緒に届くため、購入した商品を手に取る期待感や好奇心とのシナジー効果が期待できます。商品への興味や喜びが高まり、顧客のなかでブランドイメージが向上します。
さらに、同梱物は商品やブランドのことをより深く知る機会を提供します。商品の使用方法や商品開発者の想い、新商品のお知らせなど顧客が親近感を持ちやすい情報を提供すれば、顧客からの信頼を得ることができます。
同梱物を通じて顧客に感謝の意を示すことにより、より深いつながりを築くことも可能です。このように、同梱物はいくつもの手法を活用して、顧客にポジティブな印象を与えるメリットがあります。
3‐2.開封率が100%
同梱物の大きなメリットとして挙げられるのが「開封率が100%」という点です。箱に入っている商品を取り出す際、同梱物も自然と目に入るため、必ず手に取られます。ダイレクトメールやEメールなどほかの広告手法よりも確実に、顧客にメッセージを届けることができるのです。
3‐3.コスパがいい
同梱物は購入した商品と合わせて送付するため、送料や梱包材、人件費といったコストを大幅に抑えることができます。商品を購入している顧客に対するアプローチでもある点で、新規顧客獲得のための施策よりも成果も得やすい施策です。
こうした点から、同梱物の活用は非常にコストパフォーマンスの高いマーケティング手段だと言えます。
3‐4.低評価やクレームを防止できる
同梱物は、顧客にブランドや商品について詳しく説明して理解を深めてもらったり、「お気軽にご連絡ください」など問い合わせ窓口を記載したりできます。こうしたアクションにより、ECサイトへの直接的な低評価レビューや、突然のクレームを防ぎやすくなります。
4.おすすめ同梱物一覧

同梱物の内容は目的によって変わります。その中で、特に採用機会が多い同梱物を一覧にまとめました。
4‐1.挨拶状
挨拶状では、企業から顧客への感謝の気持ちを伝えます。挨拶状は新しい顧客との信頼関係を築くために、初回購入時の同梱物として用いられるケースがよく見られます。
4‐2.商品のマニュアルやパンフレット
通販での商品購入は、直接店頭で見て選べるわけではありません。そのため、購入者にとって「商品の使い方」を明確に理解することは重要です。同梱物として「商品の使い方」を詳細に説明したマニュアルやパンフレットを同封することは、顧客満足度を高めるだけでなく、商品の誤用やトラブルを未然に防ぐ役割も果たします。
商品の使い方を視覚的に伝えるために、QRコードを利用して動画やイラスト付きの説明ページへ誘導することも効果的です。こうした同梱物により、顧客は手元の商品と一緒にスムーズに使い方を学べます。
4‐3.既存顧客の声
商品やサービスの利用後にもらった既存顧客の声を同梱物として封入するケースもあります。これによって新規購入者からの共感や信頼感を高めることが可能です。既存顧客からの声を集める過程で、自社のサービスレベルを再確認し、改善点を見つけるきっかけにもなります。
4‐4.ブランドブック
ブランドブックは、商品やサービスの背景、企業理念、ブランドの価値を伝える役割をまとめた資料のことです。
ブランドブックでは、ブランドの始まりや理念を語ったり、商品開発のエピソードや製造工程を掲載したり、商品利用シーンやスタイリング提案をまとめたりします。デザインにも気を配った魅力的なブランドブックを同梱すれば、顧客のブランドロイヤリティ(ブランドへの帰属意識・忠誠心)を醸成しやすくなります。
4‐5.商品サンプル
新商品サンプルは、顧客が新商品の品質を直接体験する機会を提供します。例えば化粧品ブランドが新製品をリリースした場合、既存顧客に対してサンプルを同梱することで、新製品の魅力を伝えることができます。その結果、試した顧客が新製品を気に入れば、次回の購入時にそれを選択する可能性が高まります。
今回顧客が購入した商品よりグレードの高い商品のサンプルを提供すると、次回注文時のアップセル(より高価格の商品へスイッチすること)を促すことができます。
4‐6.関連商品のパンフレット
顧客が購入した商品と関連性が高い商品・サービスを紹介する「関連商品のパンフレット」は、次の購買意欲を喚起する同梱物として有効です。購買した商品との関連性(AとBの商品を使って〇〇な体験が得られる、など)も示すことで、クロスセルも期待できます。
4‐7.クーポン券
同梱物の定番とも呼べるのが「クーポン券」です。これは、次回購入時に利用できる割引券や特典券のことを指します。「次回購入時に使える500円OFFクーポン」などを提供することで、顧客の次回購入意欲を刺激します。
クーポン券には使用期限(例:2023年◯月◯日まで)を設けることで、購入サイクルを短縮させる効果も期待できます。
近年では公式SNSのQRコードを同梱物に載せ、「顧客がフォローするとSNS上でクーポンをもらえる」という手法が一般的になっています。SNSアカウントを成長させつつ、顧客とつながり続けられるメリットがあります。
4‐8.キャンペーンのお知らせ
特定の期間限定で実施する、割引キャンペーンのパンフレットなどを同梱物として送るケースもしばしばあります。キャンペーンは顧客の購買意欲を喚起し、リピート購入の促進につながります。
4‐9.アンケート・レビューのお願い
アンケートやレビューのお願いといった同梱物は、企業と顧客とのコミュニケーションを活性化させる有効な手段になります。商品の感想や改善点、新商品の希望などを回答してもらうことで、企業は顧客の声を直接聞くことができ、商品改善やサービス向上の参考にできます。
アンケートやレビューの回答者には、「次回ご購入時に使えるクーポン」などの特典を渡すことも有効です。
5.感動につながる同梱物のコツ

新商品のサンプルやキャンペーンのお知らせといった同梱物は、顧客にとって「お得感」を感じさせるものです。顧客との良好な関係を築くには、それに加えて「顧客の心に残る同梱物」「顧客が感動する同梱物」を工夫する必要もあるでしょう。
では、実際に顧客はどんな同梱物に心を動かされるのでしょうか。
5‐1.心を込めた挨拶状を添える
顧客と温度感のあるコミュニケーションを取るための手段として、挨拶状は非常に有効です。挨拶状で大切なのは、フォーマットではなく顧客1人1人に向けたメッセージを添えることだとされています。
初回購入時の顧客には「当店でお買い物いただきありがとうございます」といった言葉を添えましょう。リピーターの顧客には「いつもご利用いただきありがとうございます」と感謝を伝えましょう。
リアル店舗でのやり取りを、挨拶状で行うイメージです。こうした言葉1つで顧客の心は動き、リピート購入につながる可能性は大きく高まります。
5‐2.顧客に合った同梱物を選ぶ
新商品のサンプルやクーポンといった同梱物は、顧客の購入履歴や会員情報をもとに選択して送るようにしましょう。せっかくのサンプルも、顧客にとって興味がないものであれば意味がありません。顧客が関心を示すカテゴリーのサンプルや商品情報を送ることで、ブランドへの好感度を高められます。
5‐3.商品への想いを丁寧に伝える
ブランドブックなどで商品へのこだわりや想いを伝えることは、顧客のブランドへの理解を深め、購入意欲を高める方法の1つとなります。
ブランドブックでは、商品開発の背景や素材選びの理由、製造工程など商品にまつわるストーリーを、丁寧なコンテンツとしてまとめて顧客へ届けましょう。それにより、顧客の商品理解を深めるだけでなく、顧客からの信頼や共感も得られやすくなります。
6.顧客動線のデザインが魅力的な同梱物事例
6‐1.ZOZOTOWN
株式会社ZOZOが運営するファッション通販サイト・ZOZOTOWNは、「ZOZOオマケ」という期間限定のキャンペーンを実施しました。期間中に商品を購入した顧客に、さまざまな特典をプレゼントしています。
例えば、グルメレビューサイト「食べログ」と共同実施した「ワンコインランチブック」は、掲載店舗に冊子を持ち込むと500円の割引を得られるというものです。他社とのコラボレーションで制作した同梱物により、顧客のファン化につなげました。
6‐2.エーザイ
大手製薬会社のエーザイは、通販サイトの同梱物を「自社のおすすめしたいもの」から「顧客1人1人のニーズを意識したもの」へと改善。顧客心理を理解して同梱物の中身を変えるという販促施策に切り替えた結果、通販事業の売上を大きく伸ばすことに成功しました。
6‐3.BASE FOOD
「BASE FOOD(ベースフード)」は、世界初の完全栄養の主食を手がける日本の食品ベンチャーです。BASE FOODは自社商品を定期購入している顧客に、商品と一緒に冊子『BASE FOOD JOURNAL』を送付しています。
『BASE FOOD JOURNAL』には、自社商品のおいしい食べ方や開発者の声、ユーザーインタビューなどを掲載。ブランドに関係する魅力的なコンテンツによって、顧客からの信頼獲得やファン化の促進に努めています。
7.同梱物活用のポイント

同梱物をうまく活用して売上アップや顧客満足度向上につなげる上で、大切にしたいポイントが3つあります。
7‐1.適切な同梱物の送付
- 顧客に合わせた同梱物を送る(新規顧客か既存顧客か。顧客の興味のあるカテゴリーは何かなど)
- 一度に多くの同梱物を送りすぎない(同梱物が多すぎるとすべてに目が留まらず、顧客満足度の低下にもつながる)
7‐2.費用面も考慮する
同梱物はコストパフォーマンスの高い手段とはいえ、同梱物の制作や梱包作業などにはコストが発生しています。かといって、同梱物の品質が低いと顧客満足度の低下につながりかねません。
それぞれの同梱物の制作費や配送に伴う費用と、品質とのバランスを常にチェックするなど、コスト意識も持ちつつ同梱物の内容を考えていきましょう。
7‐3.効果検証と改善を行う
同梱物の効果を最大化するためには、定期的な効果の検証と改善が必要です。同梱物ごとに目標を設定して、それに対する成果を分析して改善策を模索していきましょう。
効果検証としては、それぞれの施策に対するコスト計算と成果の比較や、顧客へのヒアリング調査などが挙げられます。
これらの活動を通じ、同梱物が顧客からどのような反響を得られたのかを理解し、更なる売上アップにつなげていきましょう。
8.同梱物による売上アップなら千趣会にご相談ください
同梱物は、顧客満足度の向上とEC店舗の売上アップが期待できる有益なマーケティング施策の1つです。その効果を最大限発揮するために、今回紹介した同梱物の一覧や活用のポイントをぜひ参考にしてみてください。
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