物流に関する課題やお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
- 目次
1. 物流コストとは
物流コストとは、物流業務全般にかかる費用のことです。例えば、倉庫のレンタル料や配達員の人件費、システムの運用代、原材料の調達時にかかるコストなどが挙げられます。
輸送にかかる費用だけが物流コストではありません。さまざまな物流コストの内訳を把握すると、省けるコストをスムーズに検討できるようになります。
2. 日本の物流コストを取り巻く現状 物流コスト比率
日本ロジスティクスシステム協会の調査によると、2022年度の売上高物流コスト比率(企業の売上高に対して物流コストが占める割合)は5.31%です。
近年は、物流業者の値上げ要請や新型コロナウイルスの影響により増加傾向でしたが、2021年度に比べて低下しました。新型コロナウイルスの影響が低下し、各企業の売上高が回復したためと推測されています。
出典:2022年度 物流コスト調査報告書【速報版】 p.2 |日本ロジスティクスシステム協会
しかしそれでもなお、労働者不足などの問題を抱える物流業界では、今後もトラック運賃や荷役費の上昇などが懸念されています。そのため物流コストの削減は、多くの企業にとって重要な課題となっています。
3. 物流コストの内訳
物流コストの具体的な内訳とはどのようなものでしょうか。
分類方法はいくつか種類がありますが、基本となるのは機能別の分類方法です。機能別の分類では、物流コストを以下の5つの項目に分けていきます。
- 輸送費
- 保管費
- 包装費
- 荷役費
- 物流管理費
具体的に当てはまる費用としては、下記の表にまとめたものが挙げられます。
物流コストの項目 | 主な費用 |
輸送費 |
|
---|---|
保管費 |
|
包装費 |
|
荷役費 |
|
物流管理費 |
※一般企業でいうところの「管理課」などに該当する部門の費用であり、運搬の際に発生する運賃などの直接的な収受部門ではない |
4. 物流コストを計算する3つのステップ
物流コストのトータル金額を算出する際は、以下のステップに沿って行うとよいでしょう。
- 物流コストの内訳を明らかにする
- 物流コストの内訳を「支払物流費」と「自家物流費」に分類する
- 1と2で算出した金額を合計し、全体の物流コストを明らかにする
4-1. 物流コストの内訳を明らかにする
物流コストを計算する際は、まず、上述したとおり物流コストを機能別に分類(輸送費、保管費、包装費、荷役費、物流管理費に分類)し、それぞれの金額を明らかにする必要があります。
このプロセスでは、各項目ごとに抜けている費用がないか確認しましょう。例えば、保管費には、フォークリフトのメンテナンス検査などのランニングコストも含まれます。そうした忘れがちな費用こそ削減できる可能性があります。
4-2. 物流コストの内訳を「支払物流費」と「自家物流費」に分類する
物流コストを機能別に分けたら、それぞれを「支払物流費」と「自家物流費」という2つのグループに分類します。
支払物流費とは、輸送や倉庫の費用など、提携する他社へ支払う費用のことです。一方、自家物流費とは、自社の物流に関する人件費や施設費にかかる費用のことです。
それぞれの費用の例としては、以下のものが挙げられます。
運送業者視点における支払い形態別の物流コストの例
支払物流費 | 自家物流費 |
|
|
支払物流費と自家物流費は、それぞれ削減方法が異なります。支払物流費は取引先の変更や交渉、自家物流費は人員配置や業務フローの見直しといった具合です。
そのため、物流コストの内訳を支払い方法別に分類・整理しておくと、削減方法を検討しやすくなります。
4-3. 算出した金額を合計し、全体の物流コストを明らかにする
最後に、上記でそれぞれ算出した金額を合計し、物流コスト全体の金額を明らかにします。
このプロセスでは、日本ロジスティクスシステム協会が提供しているフォーマットを利用すると便利でしょう。
このフォーマットでは、上述した5つの費用の内訳(機能別の分類項目)が縦軸にとられており、2つの支払い形態別の分類が横軸にとられています。この表におけるそれぞれの欄を埋め、金額を合計すれば、トータルな物流コストを算出することができます。
なお、削減できるコストをさらに明確にするため、分類項目を追加するのもおすすめです。具体的には、倉庫の賃借料や機械・トラックなどの「固定費」と、ガソリン代などの「変動費」を分別することです。発生してる経費が一時的なものなのか、運送の量に関わらず一律で発生するものなのか整理すると、無駄遣いを見極めやすくなります。
5. 物流コストを削減する方法
最後に、物流コストを削減するための主な方法について解説します。
5-1. 効率化を促す技術を導入する
1つ目の物流コストを削減する方法は「効率化を促す技術を導入する」ことです。例えば、荷役の作業用のロボットを導入すると、効率化が図れるため、荷役における人件費を削ることができます。
ほかにも、デジタルピッキングを導入することも有効です。デジタルピッキングとは、デジタル機器によってピッキングをサポートするシステムのことです。ピッキングや仕分けにおいて紙の伝票・リストを使うのではなく、デジタルピッキングを使うと作業効率や精度を高めることができます。
具体的には、パレットにRFIDタグ(ワイヤレスで情報の読み書きができるタグ)を挿入するシステムが挙げられます。このデジタルピッキングのシステムでは、積載している商品とパレットを紐づけて管理できるほか、トラック上での検品や、パレットごとの入出庫管理も効率的に行うことができます。なお、パレットの紛失を防ぐことも可能です。
5-2. 専門業者へアウトソーシングする
2つ目の方法は「専門業者へアウトソーシングする」ことです。在庫管理や作業の効率化を専門の業者に頼めば、適切かつスピーディーに業務フローやシステムの改善を行うことができます。
また、倉庫での物流管理や輸送業務を第三者として担ってくれる「3PL(Third Party Logistics)」企業を頼るのも有効です。3PL企業への委託によって、物流コストの削減や生産性の向上を期待できます。
5-3. 倉庫の規模や維持費を見直す
3つ目の方法は「倉庫の規模や維持費を見直す」ことです。先述したとおり、物流コストには輸送の費用のほかに保管の費用も含まれています。そのため、倉庫の規模や維持費などに無駄がないかチェックすることもまた重要になります。
具体的には、過剰在庫がないか定期的に確認したり、外部倉庫を借りていて無駄がある場合は、倉庫のサイズ・規模を見直しを行ったりする対策を実施します。
なお、ここでも前述したデジタル化が有効になります。在庫管理にデジタル化を導入すると、リアルタイムでの在庫管理によって適正在庫を維持をしたり、シュミレーションを通じて現在のデッドスペース(活用できない場所)を把握・解消をしたりできます。
5-4. 過剰包装を避ける
4つ目の方法は「過剰包装(必要以上の物資を使った包装)を避ける」ことです。具体的には、以下のような方法によって過剰包装を避け、包装費を削減することができます。
- 荷崩れ防止のための資材をラップ巻きから専用のカバーへ変更する
- クッション材(プチプチ)をシュレッダーにかけた紙へ変更する
- 少量ずつ注文されて包装費が増えてしまう状況を避けるため、まとめ買いを促す仕組み(商品○円以上で送料無料・○品以上注文で特典ありなど)を整える
昨今、過剰包装は環境への負荷の観点からも敬遠されつつあります。そこで、簡易包装にするだけでなく、環境に配慮した包装資材(燃やしてもダイオキシンが発生しない緩衝材など)を活用するケースも増えてきています。
コストの削減だけでなく、時流に合わせたビジネスを行う意味でも、過剰包装への対策を検討してみるといいでしょう。
5-5. 配送ルートを定期的に見直す
5つ目の方法は「配送ルートを定期的に見直す」ことです。
慢性的に業務量が多く、逼迫した状況が続いていると、新規配送先の追加などが発生しても、つい既存の配送ルートを利用してしまうものです。
そのため、定期的に現状の配送ルートを見直す必要があります。配送ルートを再構築することで、より効率的な配送を行うことができるほか、環境に配慮した運送を行ったり、ガソリン代などのコストカットをしたりできます。
6. 物流コストにお悩みなら千趣会にご相談ください
物流コストを削減するためには、ここまで解説してきた通り、さまざまな費用を要素ごとに分類し、無駄を省く手段を検討しなければなりません。
しかし、「物流コストの削減方法の検討にまで手が回らない」という事業者もいるのではないでしょうか。
その際は、数多くの事業者を支援してきた千趣会にご相談ください。千趣会なら、これまでの経験を元に、物流コストに関する悩みをスピーディーに解決できます。
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