この記事では、EC事業を運営している人が知っておきたい基本知識として同封と同梱の違いを整理しました。あわせて、同梱物の機能、おすすめの同梱物についてご紹介しているので、事業運営の一助としていただけたら幸いです。
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- 目次
1. 同封と同梱の違い
まずはじめに、「同封」と「同梱」の違いを整理しましょう。
「同封」とは、1つの封書(封筒)に複数の書類などを入れることです。例えば、書類などを封筒に入れて送る際、返送用の封筒を一緒に入れることを「同封」といいます。一方、「同梱」とは、1つの箱に複数の案内や商品などを入れることです。一例を挙げると、段ボール箱で商品を発送する際、お試し商品を入れることを「同梱」といいます。
「同封」と「同梱」は1つの入れ物に複数のものを入れる点で共通していますが、それぞれ入れ物が異なっています。「同封」の入れ物は封書(封筒)ですが、「同梱」の入れ物は箱(小包や段ボールなど)です。
このように「入れ物の違い」によって「同封」と「同梱」は使い分けられています。
言葉 | 意味 | 例 |
---|---|---|
同封 |
1つの封書(封筒)に複数の書類などを入れること |
書類などを封筒に入れて送る際、返送用の封筒を一緒に入れる |
同梱 |
1つの箱に複数の案内や商品などを入れること |
段ボール箱で商品を発送する際、お試し商品などを入れる |
2. 同梱物の3つのメリット
EC事業において、同梱物(メッセージカードやクーポン券、アンケートなど)には、以下のようなメリットがあります。
- 顧客満足度の向上につながる
- リピーターを獲得できる
- 顧客の声を集められる
順に詳しく解説します。
2-1. 顧客満足度の向上につながる
1つ目の同梱物のメリットは「顧客満足度を向上させる」ことです。
例えば、ECサイトで商品を買った際、同梱されていたメッセージカードに丁寧なお礼が書かれていたり、その企業が大事にしているビジョンが書かれていたりすると、単に商品を購入したときよりも「この企業から(この商品を)買ってよかった」という気持ちが湧いてくるはずです。
言い換えれば、同梱物には、店舗ビジネスにおける「接客」のような役割があります。通販では対面で接客を行えませんが、丁寧に商品の使い方を解説する説明書を同梱すれば、接客に似た対応が可能になるのです。それによって企業や商品に対する印象が良くなり、顧客満足度の向上が期待できるのが同梱物のメリットです。
2-2. リピーターを獲得できる
2つ目のメリットは「リピーターを獲得できる」ことです。
上述したとおり、同梱物には顧客満足度の向上を促す機能があります。そのため、同梱物によって顧客が企業に愛着を持ち、ファンになれば、自然と商品購入のリピートを促すことができます。
また、同梱物のなかには、より直接的にリピートを促すものもあります。例えば、購入した商品以外のサンプル、次の買い物がお得になるクーポン券などです。期間限定のキャンペーンを告知するチラシも挙げられるでしょう。
このように、同梱物には、EC事業運営に欠かせないリピーターの獲得を支援するメリットがあります。
2-3. 顧客の声を集められる
3つ目のメリットは「顧客の声を集められる」ことです。
商品の発送時にアンケートなどを同梱すると、商品やサイトに関する顧客の声(VOC=Voice of Customer)を集められます。
顧客の声は、商品・サービスの改善を行う際に参考になり、役に立つものです。そのため、アンケートでは「商品の直してほしい点を教えてください」「サイトの使いにくい点を教えてください」といった具体的な質問を行うとよいでしょう。また、「アンケートに答えると〇〇ポイントがもらえる」などの特典を用意すると、さらに多くの顧客の声を収集できます。
3. 顧客満足度向上のための同梱物
では、顧客満足度向上のための同梱物には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。以下では、その代表的なものを3つ紹介し、その特徴やポイントなどを解説します。
同梱物 | 特徴 | ポイント |
---|---|---|
挨拶状・メッセージカード | 商品の購入に対する感謝の言葉や、商品の背景となるストーリーなどを記載し、顧客満足度を高める |
|
ブランドブック | ブランドの価値や理念に関する解説をまとめたパンフレットで、顧客のロイヤリティを高めてくれる | あくまで企業やブランドの価値を「伝える」ところにあるので、シンプルな構成や表現にする |
商品の説明書 | 顧客の満足度を高めるだけではなく、問い合わせの対応コストの削減や業務効率化につながる効果もある | 図やイラストを適宜盛り込む、目次の検索性を高めるなどをして使いやすくする |
3-1. 挨拶状・メッセージカード
1つ目に紹介する、顧客満足度を高める同梱物は「挨拶状・メッセージカード」です。
挨拶状やメッセージカードには、商品の購入に対する感謝の言葉や、商品の背景となるストーリー、こだわったポイントなどの説明を記載します。挨拶状などを同梱すると、商品や企業に対する愛着が湧き、実際に商品を使用する際の満足度を高められるでしょう。
なお、挨拶状やメッセージカードを同梱する際は、同じ挨拶状を同じ顧客に何度も送らないように注意しましょう。見たことがある挨拶状が何度も送られるとかえって満足度が低下してしまいます。また、顧客から「心がこもっていない」と思われる画一的な文章を送らないように注意し、「どんな特徴を持つ商品なのか」「なぜこの商品を届けるのか」をきちんと伝えることを意識しましょう。
3-2. ブランドブック
2つ目の顧客満足度を高める同梱物は「ブランドブック」です。
ブランドブックとは、ブランドの価値や理念に関する解説をまとめたパンフレットのことです。通常、ブランドブックは社内でブランドのコンセプトやビジョンを浸透させるために用いられますが、通販の顧客に向けた同梱物としても使用されることがあります。
ブランドブックは、挨拶状やメッセージカードと同様、顧客のロイヤリティ(企業や商品に対する愛着など)を高めてくれるのがメリットです。
ブランドブックには、以下のような事項について記載します。
- 企業のミッション(経営理念や果たすべき目的、使命など)
- 企業のビジョン(中長期的な数値目標など)
- 企業のバリュー(ミッションやビジョンを実現するための行動指針)
- ブランドのコンセプト(ブランドの考え方や世界観)
- ブランドのメッセージ(ブランドイメージを簡潔に伝える言葉)
なお、ブランドブックの目的は、あくまで企業やブランドの価値を「伝える」ところにあるので、シンプルな構成や表現にするように心がけましょう。
3-3. 商品の説明書
3つ目の顧客満足度を高める同梱物は「商品の説明書」です。
商品が届いても、使い方がわからない場合、顧客は満足できません。しかし、説明書が同梱されていれば、商品に関する顧客の疑問や不安を素早く払しょくでき、結果として顧客満足度を高めることができます。
また、商品に対する問い合わせが少なくなり、対応コストの削減や業務効率化につながる効果もあります。
なお、商品の説明書は図やイラストを適宜盛り込む、目次の検索性を高める(目次を見れば、必要な情報が掲載されているページにすぐにたどり着けるようにする)などをして、できるだけ使いやすくするのがポイントです。説明書がわかりにくいと、説明書の説明を求める問い合わせが増え、本末転倒になる可能性があります。
4. リピーター獲得のための同梱物
次に、リピーター獲得のための同梱物について紹介し、その特徴やポイントなどを解説します。
同梱物 | 特徴 | ポイント |
カタログ・チラシ | 商品の紹介を通じて顧客の購買意欲を高め、他の商品の購入を促すため購入単価アップも期待できる | |
クーポン券 | 顧客の「得をしたい」という気持ちを刺激し、結果としてリピート購入を促す | 顧客が「いつか使おう」とならないように、有効期限を設定し、券面にわかりやすく表記する |
サンプル商品(プレゼントなど) | 顧客に「もともと知らなかった商品の存在」や「迷ったが結局購入しなかった商品の良さ」に気づいてもらえる |
4-1. カタログ・チラシ
1つ目に紹介する、リピーター獲得のための同梱物は「カタログ・チラシ」です。
カタログやチラシは、商品の紹介を通じて顧客の購買意欲を高める効果があり、他の商品の購入を促すため購入単価アップも期待できます(顧客の購入単価アップを狙う手法を「アップセル」「クロスセル」といいます)。
キャンペーンなどに関するお得な情報についても、チラシとして同梱するのが有効でしょう。同梱物として送付したチラシなどは、DMに比べて開封率が高く、広告として効果的に機能します。
4-2. クーポン券
2つ目のリピーター獲得のための同梱物は「クーポン券」です。
同梱物のクーポン券の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
- プレゼントがもらえる
- 1つ購入すると同じ商品がもう1つもらえる
- 送料が割引になる
- 商品の値段が割引になる
上記のようなクーポン券は、顧客の「得をしたい」という気持ちを刺激し、結果としてリピート購入を促します。
クーポン券の注意点としては、有効期限の設定が挙げられます。いつでも使えるクーポン券だと、「いつか使おう」と顧客に思わせてしまうだけで、リピート購入になかなかつながりません。そのためクーポン券を同梱する際は、有効期限を設定し、また有効期限が伝わるようにわかりやすく表記することが重要です。
4-3. サンプル商品(プレゼントなど)
3つ目の同梱物は「サンプル商品(プレゼントなど)」です。
EC通販では、新商品や期間限定商品をサンプル商品として同梱することがあります。サンプル商品の同梱を行うと、顧客に「もともと知らなかった商品の存在」や「迷ったが結局購入しなかった商品の良さ」に気づいてもらえるようになります。
なお、「いつもの感謝を込めて会員限定にお送りします」といったメッセージとともに商品を同梱すれば、企業に対するロイヤリティを高めることもでき、結果としてさらにリピーターの獲得につながるでしょう。
5. 顧客の声を集めるための同梱物
顧客の声を集めるための同梱物としては、アンケートが挙げられます。商品やサイトの改善につながるように効果的な質問を設定しましょう。
同梱物 | 特徴 | ポイント |
アンケート | 商品やサイトの改善につながるような顧客の声を効果的に集められる | 回答の手間がかからないように、質問数や質問内容を工夫する。WEBアンケートを使って送付の手間を省くのも◎ |
なお、アンケートを作成する際は、長い回答時間を要するアンケートにならないように質問数や質問内容に注意が必要です。また、アンケート回答の送付に手間がかからないWEBアンケートを案内するとよいでしょう。QRコードなどを使うとよりスムーズにアンケートを促すことができます。
6. 同梱物を送る際の注意点
上記のとおり、さまざまなメリットがある同梱物ですが、2つの注意点があります。
6-1. 同梱物の作成時・梱包時にコストが発生する
1つ目の同梱物を送る際の注意点は「同梱物の作成時・梱包時にコストが発生する」ことです。
具体的には、同梱物の制作費や印刷費、さらには同梱物を封入する作業費が発生します。
こうしたコストを抑えるためには、同梱物の数をできるだけ少なくする必要があります。「追加の同梱物はチラシ1枚に限定する」といったルールを設けるのもおすすめです。やむを得ず同梱物が増えてしまう時期(キャンペーン期間など)は仕方ありませんが、それ以外の時期は同梱物を減らすように心がけるようにしましょう。
6-2. 同梱作業における業務フローを長くしない
2つ目の注意点は「同梱作業における業務フローを長くしない」ことです。
同梱作業にはそれなりの工数がかかります。業務フローの設計によっては、「同梱物の準備ができていないから発送できない……」と発送における待ち時間が長くなる恐れもあります。発送が遅れると顧客満足度や企業に対する信頼度も低下してしまうので、注意が必要です。
対策としては、同梱物を送る仕組みをシンプルにすることが挙げられます。例えば、「購入1回目はAという同梱物を送って、2回目はBという同梱物を送って……」と回数別に同梱物を変えると、その分の費用や工数がかかります。
その際は、1回目に送っても2回目に送っても差し支えないような同梱物(「顧客の声を集めるはがき」など)を送るようにすると、業務フローを短くできます。
7. 同梱物の送付に関するお悩みなら千趣会にご相談ください
同梱物は、顧客満足度やリピーター獲得、顧客の声を収集するうえで効果的なものです。一方で、多くのターゲットに送らないと、売上よりも同梱物を準備するコストのほうが上回る可能性もあります。
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