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- 目次
1. シニア層のECサイト利用状況と今後の展望
2022年に実施された総務省の統計によると、65歳以上の高齢者人口は3,627万人、総人口に占める割合は29.1%にものぼっており、過去最高を更新しているとの結果がでています(参照:統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口丨総務省統計局)。
増加するシニア層の割合に対し、ECサイト利用率はどのように推移しているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
1-1. シニア層のECサイト利用率は増加している
シニア層のネットショッピング利用率は増加しています。シニア層の利用率を後押ししているのは、新型コロナウイルス感染症による外出自粛だと推測できます。
総務省統計局によると、65歳以上の世帯でのネットショッピング利用割合は、2019年1月から2020年3月まではほぼ横ばいで、ほかの世帯に比べても伸びが鈍いという結果でした(参照:新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング|総務省統計局)。
ネットショッピング利用世帯の割合の推移(世帯主の年齢階級別)
(二人以上の世帯、2017年1月~2020年6月)
ところが、新型コロナウイルス感染症下にある2020年4月以降は、65歳以上の世帯においても27.1%(4月)、30.3%(5月)と著しく伸びているのがわかります。さらに、6月はほかの世代の利用率が低下しているのに対し、65歳以上の世帯は、31.2%と上昇を続けています。
1-2. シニア層がECで使用する額も増加傾向
シニア層がECで使用している額も、年々増加傾向にあります。総務省によると、2021年の65~74歳の「インターネットを利用した支出総額(22品目計)」項目は11,422円だったのに対し、2023年の同項目は16,332円に増加しています(参照:家計消費状況調査|総務省)。
なかでも、食費や衣類などの生活必需品に使用する額が増加していることから、今後シニア層のEC利用率が上がれば、ネットショッピングで使用する額も増加すると予測できるでしょう。
1-3. シニア層のEC需要は今後ますます高まる予測
情報通信白書(2021年版)によると、スマートフォンやタブレットを「よく利用している」または「ときどき利用している」と回答した60~69歳は73.4%という結果でした。また、70歳以上は40.8%の人が該当します。
注目したいのは、60~69歳の割合です。7割以上がスマホやタブレットを活用しているとわかります。さらに、2022年度の消費者意識基本調査では、インターネットをほとんど毎日利用している、または毎日ではないが定期的に利用していると回答した60~69歳は62.3%にものぼっています。
インターネットの使用目的は、情報収集(検索・閲覧)が最も多く、商品・サービスの予約や購入が2番目です。60~69歳では、インターネットを利用して週に1回以上買い物をするという人が8.8%、月に2〜3回が25.7%、月に1回が20.3%となっており、月に1回以上買い物をする人が50%を超えています(参照:令和4年度消費者意識基本調査 調査結果の概要 p.23|消費者庁)。
60代の6割以上がスマホやタブレットでインターネットを活用している、また、ポスト高齢者世代にあたる50~59歳のインターネット利用率が9割を超えていることを考えると、今後シニア層のEC利用率は上昇していくと予測できるでしょう。
2. 増加傾向にはあるが多くはない シニアがインターネットを利用しない理由は?
ECを利用するシニア層が増えている一方で、20~30代に比べるとまだまだ普及しているとはいえません。特に、70代以降の層は著しくデジタルの活用率が下がっている結果がでています。
シニア層がインターネットを使用しない理由は何か、詳しくみていきましょう。
2-1. 情報漏えいや個人情報の悪用が心配だから
2022年度の消費者意識基本調査によると、「インターネットでの予約や購入で心配なこと」という項目で、もっとも多くの人が不安に感じているのが、「個人情報が漏えいや悪用されているのではないか」とというものでした。じつに、58.7%の人が心配している結果がでています(参照:令和4年度消費者意識基本調査 調査結果の概要|消費者庁)。
一方で、実際に悪用された経験があると回答した人は、8.9%でした。シニア層のEC使用率を上げるには、「身に覚えのないメールは開かない」「IDとパスワードの管理」など、自分の意識次第である程度個人情報の流出が防げることを理解してもらう必要があります。
2-2. 使い方がわからないから
情報通信白書(2021年版)によると、「インターネットをほとんど使用しない」と回答した理由を70代以上の人にうかがった結果「どのように使えばよいかわからないから」と回答した人が42.4%にものぼっています。
出典:令和3年情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済|総務省
また、「必要があれば家族に任せればよいと思っているから」と回答したシニア層が39.7%なのも特徴的です。ECサイトでは、会員登録や決済方法などでつまずくシニア層が多いとみられており、シンプルでわかりやすいサイト設計が課題とうかがえます。
2-3. お金がかかるから
総務省の同調査によると、インターネットを使用しない理由に「購入や利用にかかる料金が高いと感じるから」を挙げている70代の人が16.6%いるという結果がでています。
高齢者のなかには、そもそもパソコンやタブレットを持っていない人も一定数います。使用するためには、本体のほかにも、Wi-Fiなどの周辺機器をそろえなければなりません。
3. シニア向けECサイトを運用するときのポイント
インターネットを使用しないシニア層をとりこむためには、どのようなECサイト運用を意識すればよいのでしょうか。シニア層をターゲットにしたECサイトをつくるときのポイントと、運用のコツを解説します。
3-1. わかりやすいデザインのECサイトをつくる
まずは、わかりやすいデザインのECサイトをつくるのが大前提です。「読みづらい」「わかりにくい」といった印象をあたえてしまうと、シニア層は面倒だと感じ、サイトを離脱してしまいます。
ポイントは、以下の3点です。
- フォントサイズ・行間・色彩に配慮したデザイン
- わかりやすいボタンの配置
- 電話番号を目立つところに表示
それぞれ解説します。
3-1-1. フォントサイズ・行間・色彩に配慮してデザインする
フォントサイズは、一般的にピクセル単位で16px以上が適しているといわれています。特に、シニア層は見えにくさに悩む人も多く、小さな文字を読むのに一苦労です。できれば、スマートフォンで見ても読みやすいよう、フォントサイズを変更できる機能を搭載するのがよいでしょう。
フォントサイズと同じく大切なのが、行間とコントラストです。行間は「line-height」が160~180%程度が見やすいといわれています。また、テキストと背景のコントラスト比は「4.5対1」以上がよいとされています。
文字サイズはスマートフォンのズーム機能によって拡大できますが、行間や色彩はユーザー側で調節できません。そのため、サイト制作のときにシニア層に配慮する必要があります。
3-1-2. クリックできるボタンをわかりやすく配置する
詳細ボタンや購入ボタンなど、クリックできるボタンはできるだけわかりやすく配置しましょう。一般的には、見やすいボタンの幅は32px以上といわれています。ボタンに立体感をつけたり、カーソルを合わせたら色が変わったりするなどの工夫を施すと、よりクリックできるボタンだとわかりやすくなります。
シニア層は、手元の動きにも不安を持ちやすいものです。スマートフォンの小さな画面の場合、文字リンクなどの細かい部分はうまくタッチできず、「違うページに遷移してしまい、元に戻れず利用を諦める」というケースも考えられます。
ボタンだけでなく、文字リンクや入力欄などのタッチが必要な部分は、サイズや色を変える、感覚を広くとる、下線をつけるなどして、シニア層が利用しやすいよう配慮しましょう。
3-1-3. 電話番号は目立つように表示する
シニア層のなかには、インターネットの使い方がわからないと感じている人もいます。そのため、電話番号を目立つように表示させて、いつでも問い合わせしてもらえるよう配慮するのもポイントです。
また、ECサイトの購入手続きがわかりづらいと感じている層に向けて、「電話注文も可能」とアピールできると、なお効果的でしょう。ECに慣れていないシニア層でも、安心して利用できるようにすることが大切です。
3-2. 具体的なペルソナを設定する
ECサイトのデザインができたら、シニアマーケティングを意識して運用します。まずは、シニア世代のどの層をターゲットにするか、ペルソナを設定しましょう。
ペルソナの設定には、自社商品や市場の分析が有効です。「自社商品を誰がどんな理由で買ってくれているのか」「競合はなにを、誰に、どう売っているのか」を考えたうえで、ターゲット層を洗い出します。
洗い出しが完了したら、細かな項目を設定してペルソナを絞り込みます。具体的な項目は以下の通りです。
- 年齢
- 性別
- 性格
- 居住地
- 趣味
- ライフスタイル
- 価値観
- 好み
- 悩み
注意したいのは、職業や年収、家族構成だけでは購入行動を予測することが難しくなっている点です。高所得者であっても、質素で丁寧な暮らしを好んだり、ブランド品ではなくサスティナブル商品を選んだりとライフスタイルは多様化しています。
また、2世帯住宅、老人福祉施設・介護サービスの充実など、家族のあり方や距離感も変化しています。データ上では「3世代同居」となっていても、書類上の家族構成では見えない部分が大きくなっているのです。
ライフスタイルの多様化に加え、高度情報化の後押しにより、デモグラフィックな属性(年齢・職業・年収・世帯規模)だけで購入行動を予測することは難しくなっています。価値観・性格・好み・悩みなどのサイコグラフィックな項目まで、実際の人物を想像できるくらい詳細なペルソナ像を設計することが必要です。
3-3. シニア層の感覚に訴えかける
シニアマーケティングは、感覚に訴えかける戦略が効果的です。具体的には、以下のような例です。
■心配や悩みに訴えかける
シニア層の感覚 |
膝の痛みがこのまま続くのではないかと不安を感じている |
シニアマーケティング |
関節がスムーズに動くサポートをするサプリメントを紹介 |
■興味関心に訴えかける
シニア層の感覚 |
旅行が趣味で全国各地に赴きたいと感じている |
シニアマーケティング |
シニア対象向けのツアーや旅行先のリコメンド |
また、商品やサービスを紹介するときは、単なる機能の説明だけでなく、購入によって「どのようなメリットがあるのか」「どのくらい生活が豊かになるのか」といったベネフィットを訴えかけることも大切です。
ベネフィットの訴求には、視覚的に訴えかけるのが効果的です。例えば先述した「心配や悩みに訴えかける」の場合、「膝を抑えてつらそうな高齢者」と「膝が痛くなくなって笑顔の高齢者」の画像を使用すると、共感や親近感をより得やすくなります。
3-4. オンラインとオフラインの両方を活用する
昨今では、シニア層もスマートフォンやパソコンを活用しており、ECサイトを活用したオンラインショッピングを楽しんでいます。しかし、もともとシニア層は、オフラインのコミュニケーションに親しみをもっています。
そのため、オンラインとオフライン(インターネットを介さない施策)、どちらも活用してマーケティングをおこなうのが効果的です。
オンライン | オフライン |
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複合的な戦略をおこなうことで、より効果的にシニア層へアプローチできます。
4. シニア向けECの販促なら千趣会にご相談ください
シニア層のEC利用率は上昇しています。今後ますます市場は拡大していくでしょう。少子高齢化社会が問題視されているいま、シニア層に向けたEC戦略の舵をとるチャンスです。
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