エステサロンの集客成功アイデア｜費用対効果の高い戦略と事例

Point

この記事では、多店舗展開するエステサロンの費用対効果の高い集客戦略を、具体的な事例を交えながら解説します。自社の集客戦略の参考としていただけたら幸いです。

目次

1. 1.なぜ、今エステサロンの集客戦略を見直す必要があるのか？
1. 1-1.市場規模の縮小
2. 1-2.顧客の年齢層、性別、価値観、ライフスタイルの多様化
3. 1-3.オンライン広告の浸透と新たな課題
4. 1-4.地域特性、店舗間格差、統一性と独自性の両立
2. 2.多店舗展開エステサロンが実践する、費用対効果の高い集客戦略
1. 2-1.ターゲティングを通しての詳細な顧客理解
2. 2-2.オンラインとオフラインの融合
3. 2-3.データ分析に基づくPDCAサイクル
4. 2-4.集客ツールの活用
3. 3.【オンライン集客】広域をカバー！ホームページ＆SNS戦略で顧客を獲得
1. 3-1.ホームページ/ランディングページ戦略
2. 3-2.SNSマーケティング戦略
3. 3-3.Web広告戦略
4. 4.【オフライン集客】顧客の心を掴む！リアルな接点で信頼関係を築く
1. 4-1.チラシ/ダイレクトメール（DM）戦略
2. 4-2.看板/ポスター戦略
3. 4-3.地域イベントへの参加
4. 4-4.口コミ/紹介促進
5. 5.エステサロンの集客では多角的な戦略の展開が鍵

1.なぜ、今エステサロンの集客戦略を見直す必要があるのか？

近年、エステ業界を取り巻く環境は大きく変化しており、従来の集客方法では新規顧客獲得やリピーター確保が困難になっています。主な理由として、次の4つが挙げられます。

1-1.市場規模の縮小

エステサロン業界を取り巻く状況は、決して楽観視できる状態ではありません。一時期コロナ禍で大きな打撃を受けたエステサロン業界は、ウィズコロナの時代に入り回復傾向にあるとはいえ、以前の水準には戻りきらず、厳しい状況が続いています。

矢野経済研究所の調査によると、2023年度のエステティックサロン市場規模は事業者売上高ベースで3,139億円と見込まれています。これは4年連続のマイナス推移で、特に影響が大きいのは市場の大部分を占める女性の施術分野です。2023年度のレディス施術市場は前年度比98.6%の1,984億円と予測され、エステティックサロン市場全体の縮小傾向が続いています（参照：エステティックサロン市場に関する調査〈2024年〉2024年2月9日発表丨矢野経済研究所）。
※エステティックサロン市場には、国内の店舗型エステティックサロンで提供する施術（美顔、痩身・ボディ、脱毛、メンズエステ）と付帯する物品販売・その他サービスが含まれる。なお、セルフエステ、訪問エステ、理美容エステ、メディカルエステなどは対象外としている

業界全体がこのような状況下のため、多店舗を展開するエステサロンにおいても、従来通りの集客方法では顧客獲得が困難な状況が続くと考えられます。

1-2.顧客の年齢層、性別、価値観、ライフスタイルの多様化

従来、エステサロンといえば、20代から40代の美意識の高い女性をターゲットにすることが一般的でした。しかし、美容に対する意識の高まりやサービスの多様化に伴い、顧客の年齢層、性別、求める価値観、ライフスタイルは多様化し、従来の顧客像だけでは新規顧客獲得は難しくなっています。

例えば、年齢層では10代や50代以上の顧客も増加しており、若年層向けにはトレンドを取り入れた施術、高齢者層にはアンチエイジングなどが人気です。また、男性客も増加しており、脱毛やスキンケアなど男性特有の悩みに対応したメニューが人気を集めています。

さらに、顧客がエステサロンに求める価値観も、価格重視、効果重視、癒し重視など多様化しており、従来のように高価格＝高品質と考える顧客ばかりではありません。加えて、仕事、家庭、趣味など、顧客のライフスタイルも多様化しており、それぞれのライフスタイルに合わせたサービスや情報発信が求められています。

このように、顧客は従来よりも多様化しており、画一的なサービスや情報発信では、顧客の心をつかむことはできません。広報担当者として、それぞれの顧客層に響く訴求や情報発信、そしてプロモーション戦略を展開していく必要があります。

1-3.オンライン広告の浸透と新たな課題

インターネットやスマートフォンの普及により、顧客の行動やライフスタイルは大きく変化しました。それに伴い、エステサロン業界においても、オンライン広告は今や主流の集客方法になっていると言えるでしょう。オンライン広告は、比較的低コストで始めやすく、費用対効果が高いというメリットがあります。また、広告効果を測定しやすいという点も魅力です。

しかし、オンライン広告にも新たな課題が生まれてきています。

例えば、オンライン広告市場の拡大に伴い、顧客獲得単価が高騰しており、費用対効果の維持が難しくなってきている現状があります。また、年齢や性別といった属性情報だけでは、顧客のニーズを捉えきれず、効果的なターゲティングが難しいケースが増えています。さらに、景品表示法や医療広告ガイドラインなどの規制が厳格化しており、効果的な広告表現が制限される場面も出てきています。

このように、オンライン広告は効果的な集客方法である一方、独自の課題も抱えているのが実情です。

1-4.地域特性、店舗間格差、統一性と独自性の両立

エステサロン業界において、多店舗展開は成長戦略の一つとして一般的になっています。しかし、複数の店舗を運営する上で、各店舗の独自性とブランド全体の一貫性を両立させることは容易ではありません。

特に、地域特性への対応は重要な課題です。顧客の年齢層や所得、ライフスタイルは地域によって異なるため、画一的なサービス提供では顧客満足度を維持できない可能性があります。

また、店舗ごとにスタッフのスキルやサービス品質に差が生じる可能性も懸念されます。これは、顧客満足度を低下させ、ブランドイメージを損なうリスクとなります。各店舗が独自のサービスやプロモーションを展開することで顧客ニーズへのきめ細かい対応が可能になる一方、ブランド全体としての統一感が失われ、顧客に混乱を与えてしまう可能性もはらんでいます。

2.多店舗展開エステサロンが実践する、費用対効果の高い集客戦略

従来型の集客方法では、顧客獲得が困難になっている現状を踏まえ、多店舗展開を行うエステサロンが生き残るためには、新たな集客戦略が求められています。

ここでは、エリアや顧客層を意識した、費用対効果の高い最新集客戦略について具体的に解説していきます。

2-1.ターゲティングを通しての詳細な顧客理解

集客目標を達成するためには、ターゲティングを行い、エリア、デモグラフィック、心理的特徴といった観点から顧客を理解することが重要となります。

特に、多店舗展開を行う大手エステサロンの場合、店舗ごとに顧客層が異なる可能性があり、画一的なアプローチでは十分な効果が得られないケースも考えられます。それぞれの店舗の立地特性や周辺顧客層を分析し、最適なターゲティングを行うことで、より効率的かつ効果的な集客活動が期待できます。

これらの要素を分析することで、それぞれの店舗に最適な顧客像を明確化し、より効果的な集客施策を展開することができます。

2-2.オンラインとオフラインの融合

エステサロンの集客において、オンラインとオフラインの融合は非常に重要です。それぞれのメリットを活かしたオムニチャネル戦略を展開することで、広域の顧客へのリーチを拡大できます。

例えば、オンライン広告で集客した顧客に対して、オフラインで無料カウンセリングや体験コースを提供することで、顧客との距離を縮め、成約率を高められます。

また、オフラインで顧客のニーズをヒアリングし、その情報を元にオンラインでパーソナライズされた情報発信を行うことで、顧客満足度を高め、リピート率向上につなげられるようになります。

2-3.データ分析に基づくPDCAサイクル

集客戦略においては、それぞれの施策における効果測定を行い、そのデータに基づいて改善策を講じるPDCAサイクルを回していくことが重要です。PDCAサイクルを回すことで、費用対効果の高い集客を実現できます。

これらのデータを分析することで、どの集客施策が効果的なのか、どの施策に改善の余地があるのかを把握できます。例えば、Web広告の出稿においては、クリック率やコンバージョン率を計測し、反応の悪い広告は停止または改善する必要があります。

2-4.集客ツールの活用

多店舗展開を行う大手エステサロンにとって、顧客一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなサービスを提供しながら、同時に業務効率化を進めることは大きな課題です。そこで重要となるのが、それぞれの業務に最適な集客ツールの活用です。

近年では、顧客情報管理、予約受付、顧客対応などの業務を効率化できるさまざまなツールが登場しています。

集客ツールを活用すると、業務効率化によるコスト削減、顧客満足度向上によるリピート率向上、そして最終的な売上アップにつながる効果が期待できます。

各ツールの機能や費用対効果を比較検討し、自社の課題やニーズに合ったツールを積極的に導入していくことが、多店舗展開を行うエステサロンの成功に不可欠と言えるでしょう。

3.【オンライン集客】広域をカバー！ホームページ＆SNS戦略で顧客を獲得

競争激化や顧客ニーズの多様化が進むエステ業界において、広域展開する大手サロンは、オンライン集客を戦略的に活用する必要があります。ホームページとSNSを効果的に連携させることで、全国の顧客へリーチし、新規顧客獲得とリピーター育成を実現しましょう。

オンライン集客には、主に以下のようなものがあります。

3-1.ホームページ/ランディングページ戦略

全国展開を目指す大手エステサロンにとって、Webサイトは広域集客を実現する強力なツールとなります。顧客を獲得し、売上につなげるには、SEO対策を施し、検索エンジンで上位表示を目指すと共に、各店舗への誘導を促進するためにローカルSEOとMEO対策にも注力する必要があります。

SEO対策では、ターゲットキーワードの選定、良質なコンテンツ作成、モバイルフレンドリーなデザイン、ページ表示速度の改善といった基本を押さえつつ、顧客体験や専門性を打ち出す差別化が重要です。

ローカルSEO対策は、特定の地域名を含むキーワードで検索したユーザーをターゲットにします。「渋谷 エステサロン」のようなエリアキーワードで検索するユーザーは、その地域での来店意向が高いと考えられます。

MEO対策では、Googleビジネスプロフィールを活用し、Google検索やGoogleマップでの表示を最適化します。NAP情報、営業時間、写真、サービスメニュー、口コミなど、店舗情報を充実させることで、上位表示、的確な情報伝達、来店促進効果が期待できます。

これらの対策に加え、Webサイトの各所に、資料請求や来店予約などユーザーの行動を促進するCTAを設置することも重要なポイントです。

大手エステサロンのWebサイトは、単なる情報発信の場ではなく、顧客との重要な接点として機能する必要があります。ユーザー体験を重視したWebサイト設計と戦略的なSEO対策、そしてMEO対策によって、広域からの集客を実現できるでしょう。

3-2.SNSマーケティング戦略

SNSは、エステサロンの集客において非常に重要な役割を担っています。多店舗展開をしている場合、企業アカウントと各店舗アカウントを保有し、以下のような役割を持たせているのが通例です。

また、SNSを運用するときは、それぞれのSNSの特性を理解し、使い分けることも重要です。

例えば、「Instagramは写真や動画で視覚的に訴求し、エリアターゲティング広告で効率的な集客を目指す」「X（旧：Twitter）は最新情報やキャンペーン情報を発信し、地域に根付いた情報発信で親近感を高める」「LINE公式アカウントはクーポン配信や予約受付、個別の顧客対応で顧客との距離を縮める」などといった形です。

このように、それぞれのSNSの特徴を理解し使い分けるとともに、効果測定を行いながら改善を繰り返せば、より多くの顧客獲得につながるでしょう。

3-3.Web広告戦略

Web広告は、従来の広告手法と比較して、より広範囲の潜在顧客にリーチできる可能性を秘めており、エステサロンの集客において非常に効果的な手段となりえます。

それぞれの広告媒体が持つ特徴を理解し、自サロンのターゲットや目的に合わせて使い分けることが重要です。例えば、検索連動型広告（リスティング広告）ではエリアターゲティングを効果的に活用することで、店舗周辺の潜在顧客へピンポイントに訴求できます。

SNS広告では、デモグラフィック属性や興味関心に基づいた詳細なターゲティング設定を活用することで、より効率的かつ効果的なターゲットリーチが可能です。

各媒体をうまく使い分けながら、定期的に費用対効果を分析して改善を繰り返すことで、より効率的な集客を実現できます。

4.【オフライン集客】顧客の心を掴む！リアルな接点で信頼関係を築く

広域展開を行う大手エステサロンにとって、オンライン集客は重要ですが、オフライン集客も軽視できません。オフライン集客は、顧客とのリアルな接点を生み出し、信頼関係構築の基盤を築くための重要な要素となります。

オフライン集客には、主に以下のような方法があります。

4-1.チラシ/ダイレクトメール（DM）戦略

広域展開を行う大手エステサロンにとって、オンライン集客は重要ですが、顧客との距離を縮め、親近感を持ってもらうためには、チラシやDMといったオフライン集客も効果的です。

オンライン戦略と比べ、チラシやDMは、ターゲット層が居住するエリアに絞って配布しやすいため、より効率的に顧客にアプローチできます。

さらに、チラシやDMに期限付きのクーポンを付けて配布することで、顧客の来店を促進する効果を高めることも可能です。クーポンは、新規顧客獲得だけでなく、顧客の来店サイクルや過去の利用状況に合わせて配布することで、リピーター獲得にも効果を発揮します。

チラシやDMのデザインや内容は、ターゲット層に響くように工夫することが重要です。目を引くキャッチコピーやデザインを採用し、サロンの雰囲気やサービス内容が伝わる写真やイラストを使用することで、顧客の興味関心を高められます。また、QRコードを掲載し、Webサイトやクーポンページへの誘導を促進するのも効果的です。

4-2.看板/ポスター戦略

看板やポスターは、街行く人々に視覚的に訴求できるオフライン集客のツールです。

すでに実施しているところが多いかと思いますが、訴求力が弱かったり、設置場所が適切でなかったりなどで、集客にあまりつながっていないケースもないわけではありません。これを機に見直してみるのもおすすめです。

効果的な看板/ポスター戦略とするためには、誰に何を伝えたいのかを明確化し、顧客の心に響くメッセージとデザインを追求する必要があります。サロンのコンセプトを表現したデザインを採用し、ターゲット層の行動動線を分析して視認性の高い場所に設置することが重要です。

さらに、訴求力を高めるために、動画やアニメーションを活用できるデジタルサイネージの導入も検討してみましょう。QRコードやSNSアカウントを掲載することで、オンラインコンテンツへの誘導を促進し、オンラインとオフラインをシームレスにつなげるようになります。

4-3.地域イベントへの参加

地域イベントへの参加は、エステサロンの認知度向上、地域への親近感醸成、新規顧客獲得に効果的な方法です。

例えば、地域のお祭りやフリーマーケットなどに参加して地域住民と交流を深める、地域の夏祭りや花火大会に協賛して店舗で使える割引券付きチラシを配布する、などの方法があります。地域の清掃活動にスタッフが参加し、サロンのロゴ入りタオルを配布するなども一つです。

イベントへの積極的な参加は、地域住民へのアピールとなり、サロンへの理解と共感を深める良い機会となります。

4-4.口コミ/紹介促進

口コミや紹介は、新規顧客獲得に非常に有効な手段です。既存顧客の満足度を高め、口コミ投稿や紹介を促進する仕組み作りが重要となります。

顧客満足度向上のためには、高品質なサービスと接客はもちろん、顧客の声を収集・分析し、改善に活かすことが重要です。施術後のアンケートや口コミサイトの分析を通じて、顧客のニーズや不満を把握し、サービス向上につなげましょう。

口コミ投稿を促進するためには、キャンペーンの実施が効果的です。割引特典やプレゼントなどを提供することで、顧客の口コミ投稿意欲を高められます。

また、紹介制度を導入すると、既存顧客からの紹介を促進できます。紹介者・被紹介者双方にメリットのある制度を設計し、顧客にとって紹介しやすい仕組みを作りましょう。特に、地域密着型のエステサロンでは、友人や家族間での紹介が効果を発揮しやすいため、魅力的な紹介制度を導入することが重要です。

5.エステサロンの集客では多角的な戦略の展開が鍵

エステサロンの集客は、顧客ターゲティングを明確化し、それぞれの特性に合わせた多角的な戦略を展開していくことが重要です。

この記事が、自サロンの強みを活かした集客戦略の立案、実行の一助となることを願っています。