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ユニファイドコマースとは?成功事例や運用のポイントを解説

2023.10.24

ユニファイドコマース 図解
ユニファイドコマースとは、オンラインやオフライン、あらゆるチャネルの顧客データを統合して、個別化された最適なサービスを提供するという概念です。

CX向上による売上拡大や事業コストの削減など、事業にとって大きなメリットがある一方で、一朝一夕で導入・運用できるような容易なものではありません。

千趣会には、60年以上通販ビジネスを実践してきたなかで培ってきたさまざまなノウハウがあります。通販コンサルティングサービスは、貴社の現状に沿って、通販・ECビジネスを成功へ導く最適なサポートをご提供いたします。 ぜひお気軽にお問い合わせください。

目次
  1. 1. ユニファイドコマースとは
  2. 2. ユニファイドコマースによって得られるメリット
  3. 3. ユニファイドコマース導入の成功事例
  4. 4. ユニファイドコマースを成功させるためのポイント
  5. 5. 通販コンサルティングなら千趣会にご相談ください

1. ユニファイドコマースとは

ショッピングカートやスマホ等のアイコンが描かれたブロック

ユニファイドコマース(Unified Commerce)とは、直訳で「統合された商取引」の意味です。オフライン・オフラインの垣根をなくして各チャネルの顧客データを統合し、パーソナライズされた顧客体験を提供するという考え方です。

具体的には、ECサイト・実店舗・SNS・メールなどのさまざまな顧客との接点(チャネル)から得られる顧客情報や購入履歴、閲覧履歴などの情報データを統合し、個別に最適なアプローチをします。

たとえば、以下のような施策がユニファイドコマースに該当します。

  • 店舗でTシャツを購入した顧客に向けておすすめのコーディネートを案内するコンテンツを届ける
  • 購入履歴や閲覧履歴をもとに趣味嗜好が合いそうなアイテムをECサイトでおすすめする

ほかにも、普段はECサイトを利用している顧客が実店舗に来店した際、顧客情報や購入履歴をもとに、既存顧客として接客(好みのアイテムの紹介や声掛け)ができるのもユニファイドコマースの特徴です。

1-1.ユニファイドコマースとオムニチャネルの違い

オムニチャネルとは、オンラインショップや実店舗、アプリ、SNS、コールセンターなどの複数のチャネルが持つ情報を統合する仕組みのことです。オムニチャネルは、顧客情報の共有や在庫リスクの軽減、販路拡大など、顧客の利便性と企業の収益向上効果が期待できます。

ユニファイドコマースとの違いは、「パーソナライズされたサービスの提供」という側面をもっているかいないかです。ユニファイドコマースは、オムニチャネルを活用して、顧客一人ひとりに最適なアプローチをするという考え方です。この考え方は、オムニチャネルには含まれていません。

1-2. ユニファイドコマースとOMOとの違い

OMOとは、「Online Merges with Offline」のことで「オンラインとオフラインを融合する」という意味をもっています。オンラインとオフラインの垣根をなくして統合されたデータを活用する、という考え方は、ユニファイドコマースと似ています。

しかし、ユニファイドコマースが一人ひとりに合わせた最適なサービスの提供による「顧客体験の充実」を目指しているのに対し、OMOはオンラインとオフラインを融合したシームレスな購買体験を提供して「顧客の利便性アップ」を図っている点が異なります。

ユニファイドコマースは、OMOよりも顧客一人ひとりに歩み寄った概念といえるでしょう。

1-3. ユニファイドコマースとOne to Oneマーケティングの違い

One to Oneマーケティングは、一人ひとりのユーザーに対して個別的なアプローチをするマーケティング手法です。データをもとにパーソナライズされたサービスを提供するという点は、ユニファイドコマースと同じです。

一方で、One to Oneマーケティングには「オムニチャネル」の側面は含まれていません。つまり、One to Oneマーケティングは、ユニファイドコマースの一要素といえます。

2. ユニファイドコマースによって得られるメリット

メリット

ユニファイドコマースについてわかったところで、ユニファイドコマースによって得られる具体的なメリットを紹介します。

2-1. 事実に基づいた正確な情報を活用できる

以前から、顧客をセグメント分けして施策を実行する流れはありました。たとえば、閲覧履歴や属性をもとに、ユーザーのニーズに合う内容を配信するターゲティング広告です。しかし、あくまでもこのセグメント分けは予測であり、しかも、不特定多数のターゲットに対してのアプローチ方法でした。

一方、ユニファイドコマースは、自社店舗やECサイトなどの接点から得た情報をもとに、すでに接点を持っている顧客一人ひとりに最適化したOne to Oneマーケティングをおこなうことができます。また、事実に基づいた精度の高い情報を活用できるため、顧客の深層心理にアプローチすることが可能です。

2-2. パーソナライズ(最適化)したサービスを提供できる

スマートフォンの普及により、カスタマージャーニーは非常に複雑になりました。そのため、ユーザーとかかわり、有効なアプローチをするためには、さまざまな媒体を網羅して最適なサービスを提供する必要があります。

ユニファイドコマースを実現すれば、オンライン・オフライン問わず、さまざまなチャネルからアクセスしてくるユーザーに対してパーソナライズした情報やサービスをいつでも提供できます。

オンライン オフライン
実店舗の購入履歴をもとに、ECサイトやアプリで趣味嗜好に合わせた商品のレコメンドをおこなう ECサイトやアプリでの行動と連動した最適な対応をおこなう

統合されたデータに基づいて顧客一人ひとりに最適なCXを提供すれば、複雑化するカスタマージャーニーのなかでも適切に対応することができます。

2-3. 広告費や過剰在庫をカットしてコストを削減できる

新規顧客に販売するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかるという「1:5の法則」が唱えられており、リピーターを増やすことは企業のブランディングにとって優先課題となっています。

ユニファイドコマースによって顧客満足度を高めることができれば、顧客のファン化をうながし、新規顧客の呼び込みにかけるコストを削減できます。さらに、最適なCXを体験したユーザーが発信する、口コミの拡散による認知拡大効果も期待できるでしょう。また、各チャネルの顧客情報や在庫情報を一元管理することで、在庫過剰によるコスト増加も防止できます。

3. ユニファイドコマース導入の成功事例

サクセスストーリーと書かれた黒板

実際に、ユニファイドコマースを導入した企業はどのような成果を挙げているのか、具体的な成功事例を紹介します。

3-1. パル

パルは、雑貨ブランド「3COINS」から、高価格帯・高品質のファッションブランドにいたるまで、約50のブランドを展開している会社です。パルは2016年からEC強化をはじめ、2018年からオムニチャネル体制を本格始動しました。

それにともない、ユニファイドコマースの購入翌日に該当商品を使ったコーディネートのコンテンツをメール、アプリ、LINEなどに届けるサービスを展開。「お気に入り登録」されている商品の価格が下がったときや在庫が少なくなったとき、再入荷したときなどに通知をおこなうなどの施策を実行しました。

その結果、自社ECサイトの「PAL CLOSET」は2016年から4年間で約7倍に成長。2021年度には、売上高100億円を超えました。

3-2. 三越伊勢丹

三越伊勢丹は、三越と伊勢丹が経営統合して誕生した、百貨店業界トップクラスの大手企業です。顧客データの蓄積と活用による、リアル店舗とヒトをオンラインに融合したマーチャンダイジングによりEC事業を推進。2022年3月期の三越伊勢丹HDのEC売上は372億円で、前期比18.1%増を達成しました。

背景には、デジタルを活用したリモートショッピングやパーソナルサービスといった、新しい顧客体験の提供があります。スマートフォンを通じて店舗スタッフの丁寧な接客が受けられる独自のサービスにより、従来の常連顧客はもちろん、これまで百貨店のサービスを利用したことがなかった人も取り込みました。

また、「YourFIT365」では、一度靴のサイズを計測すればアプリ内にサイズが記録される仕組みになっており、オンライン・実店舗を問わずシームレスな購入体験が可能に。百貨店ならではの丁寧な接客をどこでも受けられるとして注目を集めています。

4. ユニファイドコマースを成功させるためのポイント

POINTと書かれたホワイトボード

成功事例のような成果を上げるためには、どうすればよいのでしょうか。ユニファイドコマースを成功させるためのポイントを解説します。

4-1. オムニチャネル化の基礎をかためる

ユニファイドコマースの実現には、土台となるオムニチャネルを形成して基礎をかためることが第一歩です。オムニチャネル戦略は規模が大きく、複雑化しやすいプロジェクトです。もちろんコストもかかるため、適切に進めていく必要があります。

以下のような要素をひとつずつクリアにしていきましょう。

  • 社内のオムニチャネル化への理解を深める
  • 店舗とデジタルどちらも理解できるDX人材の育成・採用
  • 自社の状況を分析・把握
  • 適切な目標設定
  • 店舗とECの連携

最終的には、データの一元管理が問題なくできる体制を整えることが重要です。

4-2.CRMやMAなどのツールを活用する

オムニチャネル化が進むと、さまざまなチャネルから顧客データが集積されます。膨大なデータを管理して顧客一人ひとりに合わせたアプローチをするというのは、人の手だけでは到底リソースが足りません。

ユニファイドコマースを円滑に運用するためには、POSやEOSなどの小売販売データを管理するツールや、顧客関係管理をおこなうCRM、マーケティング施策全般の業務を自動化するMAなどのツールをうまく活用するとよいでしょう。

とはいえ、ただツールを導入すればよいというわけではありません。実店舗がある場合は、オフラインにおける顧客の行動や分析データをどのようにツールと連携させていくかを考える必要があります。企業の業態によって細かく設計したうえで、システムに実装することが大切です。

4-3. 新しいテクノロジーに対応できる体制を整える

ユニファイドコマースは事業者にとって大きなメリットをもたらします。しかし、すべての事業者がすぐにユニファイドコマースに対応できるわけではありません。課題として挙げられるのが、システムの肥大化です。

通常のECサイトでは、フロントエンドとバックエンドが密接に結びついているのが一般的です。そのため、フロントエンドの大幅な改修やシステムの入れ替えをおこなう場合は、バックエンドも一緒に改修を進めていく必要があります。この場合、システム開発部からの了承を得られない、そもそもフロントエンドの改修に対応できない、などの問題が起きやすい傾向にあります。

そこで有効なのが、ヘッドレスコマースです。フロントエンドとバックエンドを切り離して構築する考えで、バックエンドはフロントエンドの改修による影響をうけません。したがって、フロントエンドは柔軟にUIの改修をおこなえるようになります。さらに、あらゆるチャネルからのデータを統合できるため、収集した顧客データを有効に活用できます。

VRやメタバースなどの新しいタッチポイントは、今後需要が高まっていくでしょう。新しい顧客体験を積極的に取り入れられる体制を整えることも、ユニファイドコマースの実現に欠かせない要素です。

4-4. CXの向上を念頭に置いたうえで運用する

ユニファイドコマースを実現するためには、集積されたデータを活用し、顧客一人ひとりに合わせた施策を立案しなければなりません。ところが、施策を多く生み出すことばかりに気を取られてしまうと、本質である「顧客のニーズ」をおざなりにしてしまう可能性があります。

ユニファイドコマースは、パーソナライズされたアプローチにより、顧客体験を充実させることを重要視しています。個別化されたサービスの提供はあくまでも手段であり、顧客体験の充実やCX向上という目的を忘れずに運用することが大切です。

5. 通販コンサルティングなら千趣会にご相談ください

握手するビジネスマン

ユニファイドコマースはオフライン・オフラインの境界をなくした各チャネルの顧客データを統合し、一人ひとりに合わせた最適な顧客体験を提供するという考え方です。ユニファイドコマースがうまく機能すれば、顧客満足度の向上によるリピーターやファンの増加につながります。

しかし、ユニファイドコマースを成功させるためには、オムニチャネル化の基礎をかためたり、顧客データを管理するためのツールを上手く組み込んだりして、業務を効率化できる設備を整えなければなりません。

店舗とデジタルの両方を理解できるマーケティングDX人材がいなければ、迅速なユニファイドコマースの導入は難しいでしょう。ユニファイドコマース導入に向けてスムーズな体制を整えたい企業様、担当者様は、千趣会にお問い合わせください。

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