
しかし発送代行会社へ委託しようにも、具体的にどこまでを任せられて、どのようなメリットがあるのか、またどのように代行会社を見つければよいのかお悩みの担当者も多いことでしょう。今回は発送代行の基本、選び方のポイントを詳しく解説していきます。
- 目次
発送代行とは

まずはEC、発送の基本を確認しよう
昨今は“巣ごもり需要”もあり、ECサイトが一層 身近なものになりました。EC(E-Commerce)、つまりネットを通じたモノやサービスの売買形態は、 生活に不可欠なインフラになっていることでしょう。EC需要の増加に伴い、商品を扱う企業にとっては、商品発送業務の負担が大きくなってきています。そこで注目を集めているのが発送代行サービスです。発送代行は具体的にどのようなことを代行してくれるのでしょうか。一例としては以下のような業務を挙げることができます。
▼発送代行サービスの例
- 入荷
- 検品
- 在庫管理
- 流通加工
- ピッキング
- 梱包
- 出荷
- 返品処理 など
もちろん、代行業者によってサービスには違いがありますが、概ね発送業務に関わる全般を委託することができます。
現状で発送業務が自社 対応可能か確認する際のポイント

発送を代行するかどうかは現状と照らし合わせて考える必要があります。自社で現在行っている業務を洗い出し、そのうち発送業務はどれくらいの割合を占めているのか確認してみましょう。洗い出しの際、特に注意しておきたいポイントをご紹介します。
業務が煩雑化して余計なコストがかかっていないか
発送業務を細かく洗い出しすると、煩雑化していることがよくあります。一連の流れとして出来上がってしまっていると、解きほぐして再構成するのはなかなか難しいもの。多くの場合、煩雑化した業務は余計なコストがかかっています。
手間が増えれば、最低でもその人件費分は無駄が生じていると考えていいでしょう。梱包のための物品の仕入れなどで割高なコストがかかっている可能性もあります。
業務のスリム化を実現するための計画・教育・実行などのコストを考え、現状の発送業務がどれほど会社の負担になっているのかを把握しましょう。
繁閑によるスタッフへの負担の違いに注意
繁閑の差を把握するのは単年度の視点になります。もっとマクロ視点に立ち、事業展開も考慮して発送業務の位置づけを把握することも重要です。
現状での発送業務の位置づけが、それほど重要なものでなくても、今後の事業計画でEC事業を強化していくことは十分考えられます。
また、今後EC事業を強化していかなくとも、人員と事業のバランスから発送業務の負担が他の業務の重荷になっていく可能性もあります。
発送業務の位置づけをマクロ的に把握して、発送業務を外注するのか、自社で行うためにもっと体制を強化していくのか、現状維持で十分なのかを考えましょう。
今後事業を拡大していく場合、発送業務が障害になっていないか
業務の洗い出しをする際に気をつけるのが、繁閑の差です。
例えば、洗い出した時期が比較的忙しくないときだと「これなら発送代行を頼む必要はない」と判断してしまうかもしれません。自社の製品(サービス)が、クリスマス商戦など時期的なものに左右されやすい場合、繁忙期の状態も考慮する必要があります。
発送業務が忙しいときに比較的手の空いている人的リソースはあるのか、繁忙期の発送業務のせいで他の業務に支障が出ていないかなども加味して洗い出しを行ってください。
発送代行に依頼するメリット

発送代行を検討する際に気になるのは、代行を依頼することでどのようなメリットを得ることができるか、ではないでしょうか。
ここでは発送代行サービスによって得られるメリットの一例をご紹介します。
発送代行によるメリット例
・迅速な出荷:「欲しいものが欲しいときに手に入る」ことは顧客満足度を左右する重要な要素です。発送代行を依頼することで自社業務の繁閑に左右されることなく、すばやく発送することができます。
・梱包資材手配の手間を削減:ダンボールや緩衝材などの梱包資材は取扱商品の種類や数によってどれくらい用意するか変わります。また、ユーザーによっては梱包材の汚れからクレームに発展することもあるため、適切な管理を外注することは大きな手間の削減になるでしょう。
・同梱物の封入対応:新商品のサンプルやチラシを同梱することでリピーターを得やすくなります。しかし、同梱するものは一定ではないため意外な手間となります。代行に頼めば、自社でのミスをなくせるだけでなく、新規のキャンペーンも企画しやすくなるでしょう。
・商品や発送の管理:在庫状況の確認や、誤出荷・発送漏れを防ぐためには適切な管理が不可欠です。製品によっては賞味期限や使用期限があるので、管理は非常に大切であると同時に煩雑な業務です。発送代行はそうした管理のプロなので安心して任せることができます。
自社の業務内容や、選択した発送代行サービスによってメリットは変化しますが、基本的には手間を省き、業務の効率化を図ることができます。
発送代行のリスクとは?

どんなものにも長所と短所、メリットとデメリットがあるものです。発送代行を頼むことにもリスクがあります。
リスクをきちんと踏まえた上で、どのサービスを選ぶべきかを考えましょう。
▼発送代行によるリスク例
・個人情報の漏洩リスク:EC業務とお客様情報をお預かりすることは切っても切り離せない関係にあります。個人情報を扱う部署が多くなるほど漏洩のリスクは増加します。
・顧客対応の柔軟性が失われるケース :直接発送業務を行っていれば、自社判断による柔軟な対応が可能です。代行を頼む場合、委託先によっては対応の柔軟性を維持できないケースも考えられます。
・ノウハウが蓄積できないケース:発送代行を頼んだ場合、業務のノウハウが蓄積できません。仮に今後EC事業を自社で行う場合、
リスクをどの程度許容できるかによって発送代行を委託するか、どこに頼むかが変わってきます。もちろん、代行業者側もリスクを最低限に抑えるよう様々な を行っていますので、委託する際は上記リスクなどの詳細を問い合わせることが重要です。
自社の物流費用を再確認しよう

発送代行には当然コストが発生します。代行を委託することの費用対効果を検証するには、現状の物流費用がいくらなのかを把握しなければいけません。
▼確認したい物流コスト例
・配送にかかる費用:商品を運送する際のコストです。どの運送会社を利用しているか、そことは契約を結んでいるのかといったことに関しても調べておきましょう。
・梱包資材費用:どんな梱包資材を使っているのか、種類や数、ギフト用など別途用意していた資材についても忘れずにチェックしましょう。
・倉庫の賃料:倉庫を利用している場合、その賃料はもちろん、物品の許容量や環境、セキュリティ、入出荷などを考慮した立地の利便性なども押さえておきたいポイントです。
・人件費:どれくらいの人間が発送などの業務に関わっているのか、専任のスタッフだけでなく、別の業務と兼務している人がいる場合は、どれくらいの割合で発送業務を行っているか繁忙期の状況も合わせて算出しましょう。
コストが算出できれば、発送代行業者の見積もりと比較して委託の可否を判断する目安になります。コストを洗い出すことで、余計な費用のスリム化が実現できるかもしれません。
コストと人的な負担を考慮して委託するかを判断しましょう。
自社に最適な発送代行会社を探す方法

現在は各種ECサイトの隆盛によってたくさんの発送代行サービスがあります。しかしどの会社がいいかは、自社の状況や商品の特性などによって変わります。
ここでは自社に最適な発送代行サービスを探す際にチェックしたいポイントをご紹介します。
▼発送代行会社を探すときのチェックポイント
・コスト面:前述した自社物流費用から、どれだけ代行にコストをかけられるか目安ができていると思います。なんでもすべて代行に頼むのではなく、業務の一部分を頼むということも含めて検討すれば幅広い選択肢から探すことができるでしょう。
・倉庫の場所や規模、出荷対応可能数:入荷する際の利便性や、自社のEC事業規模に合わせたところを探しましょう。
・サポート体制:トラブルがあったときの対応や、コンタクトレンズなどの取扱い許可証が必要な商品にも対応しているかどうか(自社の商品を扱えるか)、どのようなオプションを用意しているかをチェックしましょう。
・実績:発送代行を委託するに足る信頼性があるかどうかは非常に重要です。どんな企業が導入しているのか、どういう活用をしているのかといった事例を調べましょう。例えば、上場企業をクライアントに抱えているのであれば、それだけでも信頼性が増します。
千趣会のフルフィルメントサービスの紹介

株式会社千趣会は、通販事業「ベルメゾン」で培ったノウハウでお客様の業務をサポートしています。千趣会は発送代行に留まらず、商品の受注から納品までの業務を包括的にサポートするフルフィルメントサービスも提供しています。
ここでは千趣会が提供しているフルフィルメントサービスをご紹介します。
長年のノウハウに裏打ちされたサービス
ベルメゾンで培った成功や失敗の体験をもとに、クライアントに最適なサポートをご提案しています。これまで多様な商材を扱ってきたからできるBtoB、BtoC両方に対応可能な物流ノウハウを持っています。
千趣会が提供する高い信頼性
株式会社千趣会は1955年に設立 され、東証の新市場区分においては「プライム市場」に適合 しています。
物流拠点は大阪府と栃木県の東西2拠点を保有し、最適な送料と保管料をご提案することができます
各種物流業務をワンストップでご提供可能なため、株式会社ローソンをはじめ多くの企業様にご利用いただいています。
まとめ:発送代行をうまく活用して通販事業の運営効率化を
現在、消費者の消費行動は大きく変化し、EC・通販の需要は大きな存在感を放っています。効果的・効率的なECシステムは通販事業に欠かせない要素となっていると言っていいでしょう。
発送代行を利用することは、業務の効率化や顧客満足度の向上を期待できます。
自社の現状をよく分析し、サービスのメリットやリスクを考慮したうえで最適な発送代行業者を選択してください。