
- 目次
フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、ECサイトやカタログ通販における商品注文受付 から発送までの一連の業務を意味します。主な業務内容は、入荷・検品、在庫管理、注文受付・決済処理、ピッキング・梱包、発送です。
通販事業者の中には、フルフィルメントの全てまたは一部を委託できる「フルフィルメントサービス」を利用している企業もあります。経済産業省が2021年に発表した報告 (※1)によれば、2020年度の物販系分野におけるBtoC-EC 市場規模は前年比で21.71%も拡大 しました。通販の需要拡大に伴い、フルフィルメントの効率化を図るべく業務委託する企業が増えています。
ちなみに、フルフィルメントサービスと近い業態に「3PL(3rd Party Logistics)」があります。3PLは、物流業務を外部委託することです。フルフィルメントは物流に加えて注文受付 および決済業務など も含むため、業務範囲が異なります。
※1 出典:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」
千趣会では、フルフィルメントサービス、物流代行サービスを提供しています。ベルメゾンなどの自社通販で培ったノウハウをもとに、貴社に最適なご提案をいたします。
物流に関する課題やお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
主なフルフィルメント業務

フルフィルメントの主な 業務内容は、次の5項目に分けられます。
1. 入荷管理・検品・商品保管
2. 受注処理
3. 流通加工・梱包・発送
4. 返品・返金対応
5. 決済業務
それぞれの詳細を見ていきましょう。
1.入荷管理・検品・商品保管
商品の入荷から注文されるまでの作業です。仕入先の卸売りやメーカーから物流倉庫に納品された商品が、発注通り届いているか確認します。検品する際は、バーコードやQRコードを読み取るハンディターミナルの利用が一般的です。
商品の保管方法は 、商品の保管場所を定める「固定ロケーション管理」と場所を定めない「フリーロケーション管理」の2つです。また、両方を採用した「ダブルトランザクション」もあります。商品の種類や量に応じた保管方法により、注文を受けるまで倉庫で管理されます。
2.受注処理
受注処理は、商品注文を受けてから最初に行う作業です。注文確認や在庫確認、決済確認、送り状発行など多岐にわたります。倉庫管理システム(WMS)と連携し、最終的な出荷指示を出します。
販売窓口がECサイト以外にもある場合、それぞれに応じた受注作業が必要です。例として、カタログ通販の「ハガキ注文の確認」や「電話注文のコール業務」が挙げられます。電話やメールの問い合わせにスムーズに対応するため、コールセンターで受注処理も担う形が主流です。
3.流通加工・梱包・発送
出荷指示を受けた商品をピッキングし、商品に応じた流通加工を施します。たとえば、化粧品であれば、商品の包装や成分ラベルの貼り付けなどの加工です。他にも、名入れや刻印、ギフト包装といった顧客1人ひとりに対応した特別な加工も行います。これらの流通加工は、競合他社との差別化を図り、商品価値を高めるための重要な作業となります。
流通加工済みの商品を梱包した後に、配送業者に受け渡します。商品発送後は、システムと連動して購入者に発送メールを送信します。
4.返品・返金対応
商品到着後に返品希望があれば、返品処理が発生します。一般的な処理手順は、購入者から返送された商品の状態をチェックしてから再発送(交換の場合) するパターンです。もしくは、返品希望があった時点で再発送する例もあります。
「サイズ違い」「イメージと違った」といった顧客都合ではなく、販売側のミスによる返品の場合は特に慎重な対応が必要です。ずさんな対応は顧客の信用を失う恐れがあるため、丁寧な対応が求められます。
5.決済業務
決済業務がフルフィルメントに組み込まれるかは、会社によって異なります。自社でフルフィルメント体制を構築する場合は、決済業務も含まれると考えて良いでしょう。フルフィルメントを請け負う「フルフィルメントサービス」に関しては、事業者によって決済代行の有無が変わります。たとえば「代金引換」の決済方法であれば、配送業者が集金し、現金の管理業務をフルフィルメントサービスが代行するといったかたちが一般的です。
フルフィルメントサービスを利用するメリット

フルフィルメントは、第三者の「フルフィルメントサービス」への委託も可能です。フルフィルメントサービスを利用すると、以下3つのメリットを得られます。
1. EC運営のコア業務に注力できる
2. 業務改善による顧客体験(CX)の向上
3. コスト削減
1つずつ説明します。
1.EC運営のコア業務に注力できる
フルフィルメントサービスに物流業務を委託すると、自社は コア業務にリソースを集中させられます。本来、企業が注力すべきはコア業務です。しかし、自社でフルフィルメント管理をする場合、ノンコア業務にリソースを多く割かれるパターンがよくあります。
そもそも、通販事業におけるコア業務とは、新商品開発や販売戦略、市場・顧客分析といった利益に直結する作業です。商品管理や受注処理などはノンコア業務にあたります。つまり、通販事業のノンコア業務は、フルフィルメントに集中しているわけです。フルフィルメントサービスを導入すれば、ノンコア業務からコア業務へとリソースを集中できます。
2.業務改善による顧客体験(CX)の向上
フルフィルメントサービスの利用は、顧客体験(CX) の向上へ繋がります。フルフィルメントのノウハウを持つ専門業者が代行することで、物流業務の改善が可能だからです。たとえば、以下のような改善を期待できます。
・商品注文から商品お届けまでの時間短縮
・配送状況のステータス表示機能の実装
・顧客が使いたい決済方法の提供
・商品価値を高める流通加工
・返品・注文変更の問い合わせへの丁寧な対応
このように利便性が高く付加価値のあるECサイトは、ユーザーの顧客体験を高めます。新規顧客だけでなくリピーターを獲得したいのであれば、顧客体験向上も視野に入れた運営が重要です。
3.コスト削減
フルフィルメントサービスは、コスト削減にも効果的です。自社管理の場合、物流倉庫やコールセンターの人件費や設備管理費が生じます。フルフィルメントサービスに委託すると、コールセンターや倉庫の人員を自社で雇う必要がありません。施設も自社保有しないので、大幅なコストカットが可能です。
当然ながら、フルフィルメントサービスの利用には、毎月の固定費と売り上げごとに適用される変動費が生じます。とはいえ、委託する場合は業務改善などの効果も得られるため、フルフィルメントサービスのほうがコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
フルフィルメントサービスを利用するデメリットと解決策

多くのメリットがあるフルフィルメントサービスですが、以下3つのデメリットも存在します。
1. 顧客との接点が減る
2. フルフィルメントのノウハウを蓄積できない
3. 商品・対応の品質を確認できない
具体的な理由を解説します。
1.顧客との接点が減る
1つ目のデメリットは、通販事業者と顧客の接点が減る点です。フルフィルメントサービスに委託すると、顧客の声を受け取るのもフルフィルメント業者になります。通販事業者と連携が取れていないフルフィルメント業者の場合、商品への意見や要望、クレームが届きづらくなる可能性があります。
実際の利用者によるリアルな意見が届かなければ、サービス改善は図れません。フルフィルメントサービスは、きちんとお客様の声を伝えてくれる業者を選ぶ必要があります。
2.フルフィルメントのノウハウを蓄積できない
フルフィルメントサービスに委託すると、注文受付、在庫管理、発送作業などのノウハウが自社に蓄積しづらくなります。フルフィルメントサービスから撤退する際、混乱を招くかもしれません。
自社にノウハウを残したい場合は、部分的な委託をすると良いでしょう。自社の要望に合わせ、適切な委託計画を設計してくれる業者を探してみてください。また、定期的な研修によるスタッフ育成も対策となります。
3.商品・対応の品質を直接確認できない
フルフィルメントサービスの導入後は、入出荷した商品の自社による検品作業は不要になります。そのため、実際に購入者に届いた商品の状態を直接的には 把握できません。
コールセンターに委託するケースでも、同様にスタッフの対応を直接的には 確認できません。フルフィルメントサービス側に丸投げせず、サービス導入時に商品や対応の基準を策定することが大切です。また、物流事業の実績が豊富な企業であれば、検査基準の遵守体制も期待できるでしょう。
フルフィルメント委託なら千趣会「フルフィルメントサービス」へ

フルフィルメント委託をすると、コスト削減や業務効率改善といった多くのメリットを得られます。委託先をお探しであれば、千趣会の「フルフィルメントサービス」をご検討ください。
千趣会の「フルフィルメントサービス」は、カタログ通販とECサイトの「ベルメゾン」で培ったノウハウと、年間2000万個の出荷が可能な仕組みを活かしたサービスを提供しています。物流代行とコールセンター受託、代金引換の決済業務などのフルフィルメント全般の委託が可能です。
コールセンターは電話やメール、チャットなどのマルチチャネルに対応 しており、幅広い販売窓口の展開を支援します。流通加工においては、顧客体験向上やブランディングに貢献する おります。
フルフィルメント委託は、千趣会「フルフィルメントサービス」へぜひお任せください。貴社のニーズに寄り添った委託計画を立案いたします。
フルフィルメントを外部委託して利益向上を目指そう
フルフィルメントは、通販事業において欠かせない業務です。しかし、企業が注力すべきコア業務ではないため、フルフィルメントサービスによる外部委託をおすすめします。
フルフィルメントサービスを活用すれば、コア業務へのリソース集中、コスト削減といった効果を期待できます。フルフィルメント委託を検討中の方は、千趣会「フルフィルメントサービス」へお問い合わせください。