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vol.05 INTERVIEW

今をトキメク輝く女性たち

熱い志と、幸せをマネジメントする力を。

1954年生まれ。早稲田大学卒業後、大手楽器メーカーに就職。20代半ばで結婚出産を経て、社会復帰。(財)横浜市女性協会、(財)女性労働協会等で再就職支援、起業支援等の事業や調査研究に関わる。現在は、京都学園大学で教鞭をとる。著書に『女性の働き方ガイドブック』(経済産業調査会)、『私にできる幸せマネジメント』(日本実業出版社)等。

  1. [職業] 京都学園大学 経済経営学部 経営学科 教授(千趣会社外取締役)
  2. 大石友子 TOMOKO OISHI

京都のレトロ電車「嵐電(らんでん)」に揺られ、大石友子さん(60歳)が教鞭をとる京都学園大学を訪ねました。日当たりの良いキャンパスをスレンダーな女性が歩いてきます。「ようこそ」と名刺を差し出す指先には上品なネイル。「千趣会は今年60年でしょ?私と同い年なのよ!」と微笑みます。

男子学生にも女性の視点を学んでもらう。

大石さんは現在、学生たちに「アントレプレナー(起業家)論」や「女性経営者論」、ゼミではビジネスプランの立て方などを指導する毎日。「たとえば女性経営者論の講義では、今注目されている女性経営者がなぜ成功しているか?などを紐解き、男性のやり方とは違った視点や、女性のしなやかな感性がどうビジネスに結びついていったのかを学びます。うちの大学は80%が男子学生、若い世代の男性に新しいモノの見方を伝えることは有意義なことですからね。」

パワーのある女性は自分で起業する道へ。

大石さんが、社会に出たのはまだ男女雇用機会均等法(1986年)より前のこと。当時は男性と同じようには仕事を任せてもらえず、結婚退社。その後、社会復帰したい気持ちが抑えられず、子育てしながら、横浜市の男女共同参画センターに再就職しました。「3歳の子どもがいるのに再就職する人は珍しかったようです。だからこそ、子育て中の女性の気持ちがわかるのでは?と上司が見込んでくれて。女性の再就職セミナーなどの企画や調査研究が主な仕事でした。だけど、能力があっても再就職は厳しい時代。パワーのある女性たちは『雇ってもらえないんだったら、自分で会社を作っちゃえ!』と、どんどん起業の道を選びはじめたのです」。大石さんも経営学を本格的に学び直し、働く女性のネットワークを広げ、起業セミナーから大規模な女性国際会議まで手がけるようになりました。「起業する女性は熱い志を持っています。ただ、想いが強すぎて周りが見えていないことも。そこでさまざまな成功例、失敗例を蓄積して、出来るだけ客観性をもって彼女たちに寄り添い、支援するのが私の役割でした」。

私にできる幸せマネジメント

大石さんは、今の働く女性たちをどう観ているのだろうか。「男性社会のしがらみをぶっ飛ばして、言いたいことを言っちゃえるのは女性の強み。ただ、特に若い世代はキャリアを目指さない人もいるし、自分の主張よりも、周囲とのバランスを重視する人も多い。女性は特にものごとを論理的に捉えるのが苦手な人が多いですよね。不満も、アイデアも、客観的に分析し、説得力をもって相手にプレゼンする力をつけていくべき。その力は、自分自身を分析して、幸せな人生をセルフ・マネジメントしていくことに繋がりますよ」

(聞き手・文/村上美香)