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クイックコマースとは?ダークストアなどの仕組みから導入時の注意点までを解説

2023.08.01

「クイックコマースとは?」の解説図
新型コロナウイルスの影響やギグワーカーの増加によって注目を集めているクイックコマース。この記事では、クイックコマースの仕組みやダークストアとの関係、事例、注意点などについて、10年以上の物流業務経験をもとに、さまざまな企業を支援しているコンサルタントがわかりやすく解説します。
千趣会では、受注から発送・梱包までの物流業務のトータル代行サービス(フルフィルメントサービス)を提供しています。ベルメゾンなどの自社通販で培ったノウハウをもとに、貴社に最適なご提案をいたします。
物流に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
目次
  1. 1.クイックコマースとは
  2. 2. クイックコマースが流行している背景
  3. 3. 国内におけるクイックコマースの事例
  4. 4. クイックコマース導入時の注意点
  5. 5. 物流に関してお悩みでしたら千趣会にご相談ください

1. クイックコマースとは

宅配便を受け取る若い女性

クイックコマース(Qコマース)とは、ECサイトやスマートフォンアプリなどから注文を受け、食品や日用品を短時間で配達するサービスのことです。従来のEコマースやネットスーパーが広範囲の配達を数日間・数時間かけて行うのに対し、クイックコマースは狭い範囲(1~2km圏内)の配達を数十分ほどで行います。「即時配達サービス」「即配サービス」と呼ばれることもあります。

国内のクイックコマースの事例としては「OniGO」や「Yahoo!マート by ASKUL」などが挙げられます(後で詳しく解説します)。

1-1.クイックコマースの仕組み ダークストアとの関係

クイックコマースでは、実店舗から配送を行う場合と、ダークストアから配送を行う場合の2種類があります。ダークストアとは、一般の顧客は買い物をできない、配送拠点専用の店舗のことです。

買い物をする顧客がいないダークストアでは、配達員が商品の棚の場所を専用端末によって調べられる仕組みが整えられています。そのためダークストアの配達員は、数十秒ほどの短時間でピッキングを行い、配達に向かうことができます。

なお、自社でダークストアを運営するほか、他社のダークストアを利用してクイックコマースのサービスを行う事業もあります。

1-2.クイックコマースのメリット・デメリット Eコマースとの比較

クイックコマースと似た言葉として、Eコマースが挙げられます。Eコマースとは、インターネット上で24時間いつでもショッピングできる仕組みを提供し、配達まで行うサービスのことです。例えば、楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。

関東でしか普及していないクイックコマースと違い、Eコマースは全国に浸透しており、多くの人に利用されています。また、Eコマースは配達エリアが広く、北海道から沖縄への荷物も届ける点が特徴ですが、クイックコマースは狭いエリアに限定して配達を行っているため、長い距離の配達を行いません。しかしその分、クイックコマースは一般的なEコマースよりも早いスピードで商品を届けることができます。

クイックコマースとEコマースの比較

メリットや特徴 デメリットや課題 事例
クイックコマース
  • 数十分で配達を行うことができる
  • 生鮮食品の配達に強い
  • 限定されたエリアしか配達できない
  • 商品の数が少ない
  • Onigo
  • Yahoo!マート
Eコマース
  • 広いエリアで配達を行うことができる
  • 幅広い種類の商品を提供できる
  • クイックコマースに比べると配達時間が長い
  • ベルメゾン
  • Amazon
  • 楽天市場
  • Yahoo!ショッピング

なお、組合員に商品を提供・宅配する生協(生活協同組合)と比較すると、クイックコマースの方が商品単価が割安で、時間的制約(週に○日のみ配達など)がなく、幅広い商品から選択が可能です。

2. クイックコマースが流行している背景

荷物を配達する人

クイックコマースは主に欧米を中心に普及していますが、近年、日本でも注目を集めています。その背景となる理由を2つ、以下でご紹介します。

2-1. 新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化

1つ目の背景として、新型コロナウイルスによる人々のライフスタイルの変化が挙げられます。新型コロナウイルスの影響により、外出を控えて家で過ごす生活が浸透し、オンラインショッピングの需要が拡大しました。経済産業省によると、2020年の物販分野におけるEC市場規模は前年比の8.08%増、2021年は8.78%増となっています。

物販系分野のBtoC-EC市場規模
物販系分野のBtoC-EC市場規模

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

そのため一般的なEコマースはもちろん、生鮮食品までスピーディーに配達してくれるクイックコマースもまた注目を集めているのです。

2-2. ギグワーカーの登場による物流システムの変化

2つ目の背景として、ギグワーカーの登場による物流システムの変化が挙げられます。ギグワーカーとは、インターネット上のプラットフォームサービスを利用して仕事を請け負う労働者のことをいいます。物流分野においては、Uber Eatsの配達員などが挙げられます。

これまでの物流業界では、自社で配達員を雇用したり、他社の配送システムを使ったりして配達を行う仕組みを作るのが一般的でした。しかし、ギグワーカーの登場によって、「安く」「早い」物流の仕組みを構築することができるようになったのです。実際、主に自社で配達員を雇っているOniGOも、ギグワーカーのプラットフォームを提供しているUber Eatsの配達員と連携し、クイックコマースを展開しています。

3. 国内におけるクイックコマースの事例

荷物を配達する女性

では、実際にどんなクイックコマースの事業が行われているのでしょうか。以下では、国内におけるクイックコマースのサービスを2つ紹介します。

3-1. OniGO

1つ目に紹介する事例はOniGOです。OniGoは、東京と神奈川、千葉、埼玉の一部エリアでクイックコマースのサービスを提供しており、日用品や食品を最短10分で届けます。

1回の宅配に300円の送料がかかりますが、初回は無料です。また、エリア限定でお得になるなどさまざまなクーポンが利用できます。こうした「新規利用者が利用したくなる」仕組みを多数用意しているところがOniGOの特徴です。現在、OniGOはヨークマーケットやUber Eats、シェアダインと協業し、配達エリアや配達商品を拡大しています。

3-2. Yahoo!マート by ASKUL

2つ目の事例はYahoo!マート by ASKULです。Yahoo!マート by ASKULは、ASKULが販売する日用品など2000種類の商品を最短15分で受け取れるサービスです。宅配プラットフォームの出前館やコストコとも連携しており、東京と千葉の一部地域で利用可能となっています。

こうしたクイックコマースのサービスを提供する一方、Yahoo! JAPANとASKULは、標準より遅いお届け日指定でポイントがもらえる「おトク指定便」の実証実験も実施しました。「おトク指定便」の実験は、物流負荷が大きい特定日の負荷を分散させる方法を検討する目的で行われ、51%のユーザーが利用したといいます(参照:ヤフーとアスクル、LOHACOで標準より遅いお届け日指定でPayPayポイントがもらえる「おトク指定便」の実証実験が好評につき、実施を継続|PR TIMES)。

このようにポイントサービスに強いYahoo!と、小配・即配に強いASKULのタッグは、今後さらに効率的な物流システムを構築していくでしょう。

4. クイックコマース導入時の注意点

悩むセールスドライバー

一方で、クイックコマースを導入する際は3つの注意点があります。

  1. 配達エリアを拡げにくい
  2. 物流システムを整えるのが難しい
  3. 配達員(ギグワーカー)を教育する仕組みが必要

順に詳しく解説します。

4-1. 配達エリアを拡げにくい

1つ目は、配達エリアを拡げにくい点です。

クイックコマースは、2023年現在、東京など一部エリアでしか展開されていません。エリアを限定してハイスピードで配達を行うクイックコマースは、注文頻度の高い都市部や住宅密集地以外で利益を立てるのが難しいためです。

また、そうした都市部などのエリアは地価も高く、それだけ拠点の維持費・固定費が多くかかります。専用のダークストアを設置する場合、実店舗としての売上をつくることができないため、より一層、一般的なネットスーパーよりも利益を立てるのが難しくなります。そのほか、クイックコマースの拠点は配送のためのトラックの出入りが多く、近隣住民から店舗の設置を反対される懸念もあります。

このような課題を抱えているため、クイックコマースは配達エリアを拡大しにくくなっているのです。

4-2. 物流システムを整えるのが難しい

2つ目は物流システムを整えるのが難しい点です。

難しいとされている理由としては、主に次の3つが挙げられます。

    • 前述した通り、ダークストアなどの在庫を置く店舗を置くとコストがかかる
    • 取り扱い商品が豊富だと消費者にとって便利だが、その分の在庫管理が難しくなる
    • 配達員を自社ですべて確保するのは難しく、ギグワーカーと契約するシステムを構築したり、既存のデリバリーシステムを活用する必要がある

    4-3. 配達員(ギグワーカー)を教育する仕組みが必要

    3つ目は、配達員(ギグワーカー)を教育する仕組みが必要になる点です。

    クイックコマースによる配送は、多くの場合、既存の物流会社の配達員ではなく、個人事業主であるギグワーカーの配達員を動員することで成り立っています。

    しかし、近年、配達員が荷物を乱暴に扱うなどのニュースが話題になることもしばしばあります。企業の看板を背負って働く意識が薄いギグワーカーを雇うと、より一層、こうした配達員のマナーの問題が生じるリスクが高まります。

    そのため、ギグワーカーを雇ってクイックコマースのシステムを構築する場合は、ギグワーカーを教育する仕組み作りが必要になります。具体的には、eラーニングなどを通じて、物流に関する法律や、顧客満足度向上につながるサービスについて教育を行う方法が挙げられます。そのほか、サービス利用者の評価が収入アップにつながる仕組み(高評価○件以上でランクアップ)を導入し、モチベーション向上を図る取り組みも有効でしょう。

    5. 物流に関してお悩みでしたら千趣会にご相談ください

    トラック

    クイックコマースは、これまでになかった新しい物流システムを構築する可能性を持っています。すでに既存の物流事業を運営している人にとっても、クイックコマースに関する最新知識は重要なものになるでしょう。

    ただ、クイックコマースは範囲が限定的であったり、ある程度の教育コストが必要であったりとさまざまな課題があり、導入するときはそれらをクリアしなければなりません。

    そのため、場合によってはクイックコマースそのものが適していないこともあります。

    もし、クイックコマースに限定せず、物流に関してお悩みを抱えていましたら、そもそも物流業務を外部に委託するのもひとつです。

    千趣会では、ベルメゾンを始めとする通販業務で得てきたノウハウをもとに、物流業務をまるっと代行するフルフィルメントサービスを提供しています。物流に関するお悩みを一挙に解決したいとお考えでしたら、ぜひ一度ご相談いただけたら幸いです。

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