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EC物流とは? ECサイト運営に欠かせない5つの業務と特徴を解説

2022.03.31

段ボール
ECサイト運営を始めるときに、EC物流の仕組みや課題、業務内容について気になる人は多いのではないでしょうか。

この記事では、EC物流の概要やEC物流の業務内容、そして最適化するための改善ポイントをまとめて解説していきます。EC物流は、EC運営成功の鍵を握る重要な業務です。円滑にEC運営をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次

EC物流とは

ECサイトのイラスト

EC(Electronic Commerce)とは、インターネットを利用しサービスや商品を売買することを指します。日本語では電子商取引と訳しますが、ECサイトやネットショップ、通販サイトと呼ばれることが多いです。

代表的なECは、Amazonや楽天市場、ベルメゾンネットなどが当てはまります。EC運営をするときには商品企画やマーケティング、サイトデザインなど多様な業務が発生しますが、物流に関する業務は「EC物流」と呼ばれています。

EC物流は受注管理やラッピング、出荷作業など 商品を顧客に届ける重要な役割を担います。EC物流の管理が不十分だと や在庫管理ミスが発生しやすくなり、顧客満足度や売上の低下を招くでしょう。

バックエンド業務となるEC物流はその他のコア業務と同じくらい重要な工程であり、仕組み化し円滑に行うことが、EC運営の成功の鍵であると言えます。

EC物流の3つの特徴

カートと段ボール

引き続きECサイト物流における基本事項の振り返りになりますが、EC物流の特徴について以下にまとめます。

▼EC物流ならではの特徴
・BtoC向けの物流が主流となる
・梱包方法やラッピングにこだわり顧客のニーズに応える必要がある
・商品の受け取りやすさが重視される

それぞれを、詳しく見ていきましょう。

BtoC向けの物流が主流

ECサイト物流は、BtoC向けの物流が主流です。BtoC(Business to Consumer)とは、企業と一般消費者間の取引を指します。一般消費者からの注文に合わせて商品を手配するため、1件当たりの注文数は少ないものの配送先が多くなるところが特徴です。

例えば、一日に合計で商品50個ぶんの注文が入ったとして、BtoBにおいてはその配送先の内訳は1社~数社程度、注文商品の種類も数種程度、というケースが多くありますが、BtoCでは1個単位で配送先や注文商品がそれぞれ異なる、ということが多いです。そのため、1件ずつ個別対応が必要となり、梱包や商品管理に労力がかかります。

この特徴を把握したうえでEC物流の仕組みを検討しないと、コストがかさんだり配送に時間を要したりなどのトラブルにつながります。

梱包方法やラッピングにこだわる必要がある

EC物流では、顧客のニーズに応じた対応が求められます。まさにラッピング対応は、その一つです。昨今のECは、イベントや誕生日などシーンに合わせたギフト需要が増加しています。それに伴い、メッセージカードやオリジナルラッピング、個包装などのオプションを用意しているECが多いです。

そのため、EC物流ではラッピングや熨斗(のし)、メッセージカードに対応する必要があります。ラッピングが必要な商品をミスなく選定し、限られた時間で梱包を終えなければなりません。とくにクリスマスや母の日などのイベント時には、ラッピングが集中します。多様なラッピングや個別の指示に、スムーズに対応できる仕組み作りが欠かせません。

EC物流では受け取りやすさが重視される

EC物流では、注文した商品を手軽に受け取れることが重視されます。株式会社ネオマーケティングが20歳~69歳の男女1000人を対象に実施した「ECサイトの梱包から配送」の調査(※1)では、希望の配送方法が選べず購入を諦めた経験がある人が30%以上 もいることが分かりました。

つまり、顧客が希望する配送方法が選択できないと、購入を断念することにつながるのです。そのため、EC物流では、配送方法や梱包方法の柔軟な対応が求められます。一つの配送方法に固定するのではなく、置き配やポスト投函など配達方法が選択でき顧客のライフスタイルに合わせて受け取れるよう配慮することが大切です。

※1 出典:株式会社ネオマーケティング「ECサイトの梱包から配送に関する調査」

EC物流の業務

梱包資材

EC物流は、受注管理を始め主に5つの業務を担います。

▼EC物流の主な業務

  1. 商品の入荷:入荷した商品の確認と棚入れ
  2. 商品の管理:商品を出荷するまで管理する
  3. ピッキング作業:注文が入った際に適切な商品を棚から取り出す
  4. 流通加工:ラベル貼りやギフト包装などの加工を行う
  5. 梱包作業:指示に従って商品を梱包する
  6. 出荷作業:住所や名前を確認して商品を出荷する

それぞれどのような業務を行うのか詳しく解説していきますので 、理解を深めてみましょう。

商品の入荷

まずは、ECで販売する商品を入荷します。入荷伝票の情報を確認しながら、正しい商品が入荷しているか個数や商品の状態を検品します。もちろん大きさは同じでも色やデザインが違う商品が入荷されるので、ミスがないように仕分けすることが重要です。

一般的にECは、商品の個数は少なくても取り扱い商品が多い点が特徴です。入荷した商品を乱雑に置くと、必要なときに商品を見つけられません。出荷や管理がしやすいように、商品ごとの置き場所や置き方を決めておきましょう。

商品の管理

商品は出荷されるまで、ルールに基づき物流センターで管理をします。商品の管理は入荷した商品をバーコード登録し、倉庫内の保管場所と紐づけて在庫管理システムで管理をする方法が主流です。商品の個数やバリエーションも登録しておき、システム上で在庫や保管状況が把握できるようにしておきます。

また、商品の管理においては保管する環境もチェックしておきたいポイントです。管理する商品によっては湿気や高温に弱いことがあります。倉庫内の環境が高温多湿だと、商品の劣化が進み出荷するときに使えなくなるかもしれません。商品に合わせて除湿器や冷暖房を導入し、適切な環境下で管理をすることが欠かせません。

ピッキング作業

ピッキング作業とは、商品の注文が入った際に適切な商品を棚から取り出す作業のことです。出庫伝票を見ながら個数と品番を確認し注文の入った商品を見つけて、棚やパレットから取り出します。

最近のEC物流は、商品の注文から出荷までのスピードが重視される傾向があります。ピッキング作業に手間取ると時間ロスとなり、配送の遅延につながります。効率よくピッキング作業ができるように、動きやすい動線作りや商品を取り出しやすい管理体制が欠かせません。

流通加工

流通加工とは、必要に応じて行う商品への加工を指します。ラベル貼りや荷札付けの他、顧客の注文形式に合わせた商品への名入れ・刻印やギフト包装、詰め合わせ包装などを行います。

また、化粧品製造業の場合におけるシュリンク包装、法定表示ラベルの貼り付けなども流通加工に該当します。ちなみに化粧品製造業の流通加工は、化粧品製造業許可を取得している企業でないと行えません。

梱包作業

注文の入った商品が揃ったら、梱包作業に取りかかります。商品サイズに合う封筒やダンボールに、商品を詰めます。このときに配送時の衝撃や揺れで商品が破損しないように、緩衝材も併用しきれいに仕上げます。

また、注文時の要望に合わせてラッピングや他商品の同包、メッセージカードの封入にも対応しなければなりません。アパレル商品は事前にアイロンがけをしたり食品は保冷剤を使用したりと、取り扱い食品によってさらにひと手間を要することも少なくありません。梱包作業は手間と労力がかかるため、とくに?忙期は人員の確保が必要です。

出荷作業

梱包が完了したら、出荷作業に入ります。配送先の名前や住所に誤りはないか確認し、配送伝票を作成します。日時指定や配送方法の指定があるときは漏れなく把握して、運送業者に確実に引継ぎをしなければなりません。

出荷作業で間違いが生じると、お客様の手元に商品が届かない事態につながります。慎重さとスピードのどちらも求められる作業なので、仕組み化をして確実にチェックをする体制を整えることが大切です。今回ご紹介したEC物流の業務はあくまでも一例です。ECの規模や取り扱い商品により、業務内容は左右されます。

EC物流の4つの課題

出荷作業

昨今ECが急激に発展し、EC物流の課題が表面化しています。ここでは、EC物流の課題をまとめてご紹介します。どのようなことが問題視されているのでしょうか。

コストがかかる

EC物流は、どうしてもコストがかかるところが大きな課題です。EC物流に必要なコストには、主に下記の5つがあります。

▼EC物流に必要なコスト

費用 概要
人件費 入荷作業やピッキング作業、梱包作業などを行う人件費
保管費 商品を保管するための倉庫費や設備費用
運送費 商品を配送するための費用
資材費 ダンボールや封筒、ラッピング資材の費用
システム費 在庫管理システムなどEC物流のためのシステム費用

近年のEC物流はスピードが重視されているため、限られた人材では対応できません。とくに繫忙期は多くの人材を雇用し、短時間でピッキング作業や梱包作業を行う必要があります。それに加えて運送業界の人手不足により運送費自体が高騰しており、EC物流にかかるコストが必然的に高くなる背景があるのです。

EC物流にかかるコストが上昇するとECでの利益が相殺されてしまい、思ったように利益を生み出せない状況を生んでしまいます。

在庫管理が複雑化しやすい

EC物流は取り扱い商品が増えれば増えるほど、在庫管理が複雑化しやすいです。多くの在庫を抱えると倉庫内の動線 が把握しにくくなり、ピッキング作業が難しくなります。とくに、色違いやサイズ違いの商品を多数扱うようになると容易な見極めができません。

とは言え、万が一にもピッキング作業にミスが生じると、すなわち誤配送の発生へつながりますので、 大きなクレームを招く可能性があります。EC物流は一度のクレームが顧客との信頼関係の喪失につながりかねません。複雑な在庫管理をどのように仕組み化し、作業効率を向上させるのかはEC物流が抱える課題となっています。

イレギュラーな対応が多い

▼イレギュラーな対応の一例

  • 顧客からのキャンセル申請
  • 顧客からの配送先変更要望
  • 交換や返品の対応

例えば、顧客から急にキャンセルをしたいと申請があった場合は、現状を把握して配送を止めなければなりません。イレギュラーな対応はEC物流の各業務において、負担が大きくなります。その結果、配送の遅延や人材不足などを招く可能性があるので、イレギュラーな対応をどのようにカバーするのかが課題の一つです。

閑散期と多忙期の差が激しい

ECの取り扱い商品によっては、店舗と同様 に閑散期と多忙期の業務量の差が激しいことがあります。例えば、スキーやスノーボード用品を扱っているECは、夏は閑散期です。スイーツ事業のECは母の日やクリスマスなどイベントに合わせて多忙期が到来します。

このように、一時的に注文が集中するECの場合は、EC物流の適切な人材確保が難しい傾向があります。多忙期はEC物流業務が追いつかないほど注文が殺到するため人材不足に陥りやすく、配送の遅延やミスが発生します。一方で、閑散期はEC物流業務が一気に減るので、多忙期に合わせて人材を雇用すると人件費がかかり利益の確保ができません。

多忙期と閑散期の差が激しいことが分かっている場合は、何らかの対策を導入しないとEC物流の質の低下やEC物流のコスト高騰を招くでしょう。

EC物流を改善するための3つのポイント

チェックをする手

最後に、EC物流を最適化するための改善ポイントを紹介します。EC物流の問題を解消するために実践できるポイントばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

EC物流にかかるコストを可視化する

まずは、EC物流にかかるコストを可視化し、無駄がないか確認してみましょう。先ほども述べたようにEC物流にかかる主なコストには、人件費・保管費・運送費・資材費・システム費があります。これらのコストを可視化して、どれくらいコストをかけているのか理解することが大切です。

1ヶ月分のEC物流コストが分かったら合算し、利益に対するEC物流コストの比率を算出してください。比率が高い場合は、EC物流に関連するコストが利益を減少させていることになります。EC物流にかかるコストを減らすことは難しいかもしれませんが、資材費や運送費などの変動費に着目をして、すこしでも安くできる方法はないか探ってみてください。

EC物流を細かくマニュアル化する

EC物流は管理する商品が増えて規模が大きくなればなるほど、業務が複雑化します。複雑化した業務を誰もが同等のレベルで行うには、細かなマニュアルが必要です。EC業務に携わっている人の勘や長年の知識に頼っていると、人員の移動や増加に耐えることができません。

例えば、多忙期に新たなスタッフを雇用した際に作業内容が標準化されていないため、作業者に応じて方法が異なり混乱することが起こります。ミスや梱包方法の違いが多発するようになり、EC物流が正常に機能しなくなるでしょう。誰が実施しても同じクオリティで行えるように、全工程を網羅したマニュアルを構築することが大切です。

アウトソーシングを検討する

自社でEC物流の対応をすることが難しい場合は、アウトソーシングを検討するといいでしょう。アウトソーシングとは、EC物流業務のみを外部に委託する方法です。小規模のうちはいいですがECの規模を拡大すると、EC物流業務が大きな負担となります。アウトソーシングを利用することで、自社が抱えているEC物流の課題を改善できます。

例えば、EC物流の運営方法に悩んでいる場合は、実績のある企業のアウトソーシングを利用することでEC物流の仕組み作りから運営まで一括して任せられます。当社では今までの実績や知識を活かした「物流代行サービス」を提供しています。EC物流の運用にお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

EC物流はECサイトを成功に導く重要な業務

EC物流は、EC運営の成功に直結する業務です。EC物流の仕組み化ができていないと、配送の遅延やコストの高騰など課題が生まれやすくなります。逆に言えば、EC物流の業務が問題なくできればクレームや遅延が起こることなく、顧客満足度の高いサービスが提供できるところがメリットです。

この記事を参考に、EC物流業務をしっかりと把握して滞りなく進められる仕組みを作れるようにしましょう。

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