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物流業務の改善方法は?事例や取り組み後のポイントとともに紹介

2023.07.20

物流業務の主な改善方法 図解
物流業務に取り組んでいると、目標を達成できていない現状に悩むことは少なくありません。
この記事では、物流業務を改善する方法をご紹介しています。また改善の取り組みを行うときに知っておきたいポイントや、なかなか改善しない場合の対策も解説しているので、物流担当者の一助となれば幸いです。
千趣会では、受注から発送・梱包までの物流業務のトータル代行サービス(フルフィルメントサービス)を提供しています。ベルメゾンなどの自社通販ブランドで培ったノウハウをもとに、貴社に最適なご提案をいたします。
物流に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
目次
  1. 1. 物流業務の改善方法
  2. 2. 物流業務の改善事例
  3. 3. 物流業務の改善施策に取り組んだあとは 忘れてはいけないこと3つ
  4. 4. 物流業務の改善にお悩みなら千趣会にご相談ください

1. 物流業務の改善方法

棚卸しをする人

物流業務の改善をするとき、多くの現場で行われているのが以下の3つです。

  1. 3Mを取り除く
  2. 人的ミスを予防する
  3. 物流コストを見直す

順に詳しく解説します。

1-1. 3Mを取り除く

3Mとは、「ムリ・ムダ・ムラ」を示し、その作業に必要でない労力や時間を指す言葉です。

物流現場においては、不適切な作業環境や設備、作業員の能力や知識の不足、情報の伝達や管理の不備などによって発生します。この3Mを徹底的に排除すれば、物流業務の改善につながります。

1-1-1. 改善方法

3Mを取り除くためには、まずどのシーンで3Mが発生しているのかを確かめるために、実際に作業を体験することが重要となります。それによって覚えた違和感が改善のポイントとなることが多いからです。

違和感を覚えたら、どんな3Mが発生しているのかを分析し、対策を練りましょう。

例えば、時間を持て余している作業員が多く目についた場合は、どの工程にどのくらいの人員が必要なのか考え、配置を見直してみます。また、ある工程で時間がかかり過ぎ、次工程に手待ちが発生していることがわかったとしたら、例えば待ち時間を使って各工程の人員を教育し、工程間の乗り入れができるように多能工化を図る、といった方法があげられるでしょう。

ほかにも、重量物などを扱う現場では、人材が定着しにくく、作業員全体の能力が向上しないために作業効率がいつになっても上がらない、という現象が起こりがちです。実際に作業をしたうえでその点に違和感を覚えたら、人間工学的に負担の掛からない機器(パワーアシストスーツなど)を導入することを検討するのも、3Mを取り除く方法のひとつです。

1-1-2. 改善に取り組むときの注意点

3Mを取り除くためには、現在従事している作業員の意見を聞き取ることも重要です。「ここにあてられている人員を、あの工程に回せばいいのに……」と貴重な意見を聞けるだけではありません。現場の意見を反映させることで、改善に対して不満が出にくくなるメリットもあります。

例えば、慣習化された作業に3Mがあることがわかり、いざメスを入れると、作業員から反発されることがあります。しかし、事前に現場の意見を参考にしたことを丁寧に伝えれば、何もしていないときよりも納得してもらいやすくなります。

また、新たな機器を導入しても、かえって作業員の負担になる場合があるので、デモ機などを利用して、やはり作業員の意見・感想をよく聞き取ることがポイントとなります。

1-2. 人的ミスを予防する

人的ミスとは、人が行う作業や業務で、予期しない失敗や過ちを起こすことを指します。物流業務において人的ミスが発生すると、納期の遅れや製品の不良、コストの増加などにつながります。そのため、物流業務の改善を考えたときには、積極的に解決したいものと言えます。

1-2-1. 改善方法

人的ミスを改善するには、物流業務の属人的な部分を抽出し、対策をするのが有効です。

例えば、人的ミスのなかには、「思い込み」によるピッキングミスがあります。10~13桁の品番の目視照合が必要な現場で、誤配がしばしば発生していたので「なぜなぜ分析」を行ったところ、実際は末尾の3~4桁だけしか目視照合していなかった、などです。

こうしたミスが発生しないようにするには、ハンディーターミナルやスキャナーといったバーコードやQRコード、OCR対応の機器を使い、目視照合を徹底的になくす必要があります。確実に整合性を担保し、物流業務の品質を向上させるためにも、多少コストを掛けてでも導入するようにしましょう。

1-2-2. 改善に取り組むときの注意点

機器を導入して満足するだけでは意味がありません。使う人が有効活用できて初めて効果が生まれるものです。そのため、まずは使いやすい機器を選定し、使えるように教育することが重要となります。

また、機器のイレギュラー発生時のサポート体制として、予備機の整備や問い合わせルートの完備、使用できなくなったときの対応手順も決めておきましょう。

1-3. 物流コストを見直す

物流コストの見直しも、物流業務の改善に含まれます。

物流コストとは、物流を行う際にかかる費用を指し、トラックなどによって輸送する際にかかる費用、倉庫の管理費用、荷役にかかる人件費、商品の包装費用などが挙げられます。また、物流を委託した際にかかる費用も含まれます。

これらのコストを見直し、いかにムダを削減するかも、物流業務の重要な改善策のひとつです。

1-3-1. 改善方法

物流コストを見直すときは、まず実際に今どのくらいのコストがかかっているのかを計算します。実際にどの程度の金額がかかっているのか判明したら、具体的な削減方法を実施します。

金額の詳細は各企業によってさまざまですが、物流コストのなかでも、トラックなどによって輸送する際にかかるコストが大きな割合を占めているのが一般的です。もしどこから手をつけたらよいのか判断しかねている……という場合は、まず輸送コストに焦点をあて、何にどのくらいのコストがかかっているのかを整理するところから始めるとよいでしょう。

輸送コストにかかる金額が明らかになったら、削減の手立てを検討します。ひとつの方法として、委託している配送業者に値下げの交渉をするというのがありますが、契約時にすでに金額の交渉をしている場合は難しいかもしれません。

そこで、配送の仕方を見直すことをおすすめします。例えば個別配送をなるべくやめる(積極的にまとめて配送する)、業者への配送の場合は小ロットで送らないように他社との共同配送を検討する、輸送ルートを変えるなどです。

もちろん、輸送コスト以外にも、見直せる点は多くあります。配送を担当する作業員の作業時間にムダがあるのであれば、物流倉庫のレイアウトを変更し、作業員の動線を最短距離にして、スムーズに工程が流れるようにするなどが挙げられます。

1-3-2. 改善に取り組むときの注意点

物流コストの削減に取り組むときは、配送のクオリティを落とさないように注意しましょう。例えば、コストを削減するために小型の輸送車を使用する選択肢がありますが、小型の輸送車は荷物容量が少ない、車体が小さいため荷物を保護するスペースが少ないといったデメリットがあります。それによって製品の保証期間や品質が損なわれることがあります。

また、作業員の導線を最短距離にしようとして作業場所を狭くしすぎてしまうと、作業員のストレスが増え、商品の入れ間違いや配送漏れなどにつながる恐れもあります。

2. 物流業務の改善事例

物流業界は現在、2024年問題を始め、さまざまな課題を抱えていることから、多くの企業が自発的に業務改善に取り組んでいます。主な事例を紹介します。

2-1. 食品スーパー4社の例

首都圏に店舗網を持つ食品スーパー大手4社(サミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーション)は物流改善に向けて共同で取り組みを開始し、食品物流改善についての宣言を発表しました。これは、物流の「2024年問題」への対応と、安定した食品流通網の維持を目指すものです。

具体的な取り組みとしては次の4つが挙げられます。「加工食品の発注時間の前倒し」「特売品・新商品の発注・納品リードタイムの確保」「納品期限の緩和(1/2ルールの採用)」「流通BMSによる業務効率化」です。これらを通じて、業界全体で物流改善を進め、食品サプライチェーン全体の改善を目指します。

また、各社が参加する「首都圏SM(スーパーマーケット)物流研究会」も設立されました。ここでは、物流の効率化策や食品流通全体の効率化につながる施策が検討・推進されます。

なお、上記の取り組みは、味の素やキューピーといった食品メーカーに高く評価され、経済産業省からも食品流通を維持するため重要なモデルチェンジである、と言及されています。

2-2. 医薬品・医療機器メーカーの例

帝人株式会社は、聖路加国際病院や東京医科歯科大学病院などと共同で、スマート物流サービスプロジェクトに参画し、医療材料に対する物流データの一元管理、共同院外倉庫の設置、そしてRFIDの活用による業務効率化の仕組みを2023年1月に開始しました。この背景には、担い手不足や配送の多品種・少量・多頻度化などによる物流クライシスと、新型コロナウィルスの影響で浮き彫りとなった物流データ管理の課題があります。

具体的な改善策としては、複数の病院で使用する共同院外倉庫を設置し、その倉庫内において帝人が開発した「レコピック」および「レコファインダー」の「Reco(レコ)シリーズ」を用いてRFIDによる一元管理を行い、手間と時間がかかるバーコードの読み取り作業を撤廃しました。また、「Recoシリーズ」で読み取られた情報を共通で管理し、物流状況の可視化を行いました。

これらの取り組みにより、聖路加国際病院では院内物流業務の約60%を、東京医科歯科大学病院では手術材料の使用実績登録業務の約95%を削減することに成功しました。

2-3. 日用品メーカーの例

花王株式会社は、豊橋工場に、多品種のスキンケア・ヘアケア製品を効率的に物流拠点や販売店へ供給できる完全自動化可能な倉庫を建設しました。

この倉庫では、積み込み作業を自動運転フォークリフトによって、積みつけと荷卸しを無人搬送車(AGV)によって、仕分け作業をRFIDを活用によって無人化・自動化が進められています。また、敷地内に存在する工場と物流拠点との一体運営により、無駄のない商品供給や物流コストの抑制につなげています。

3. 物流業務の改善施策に取り組んだあとは 忘れてはいけないこと3つ

倉庫で話す人々

物流業務を改善するときは、上記の方法にまず取り組むのが有効です。ただし、どんな業務でも同じですが、改善施策に一度取り組んだだけでは思うような結果は得られません。改善後の状況を常に把握し、繰り返し改善を行うことが重要です。

その際におさえておきたいポイントをご紹介します。

3-1. 観察・記録をする

改善後の状況を把握するためには、観察や記録をすることが重要です。例えば、荷物の配達業務を改善した場合、配達時間や配達ステータスを記録することで、改善後の状況を把握することができます。

また、ただ記録するだけでなく、わかりやすくすることもポイントです。配送であれば、配送時間や配送ステータスを一覧見れるように表にする、といった方法があげられます。

3-2. 分析・判断をする

観察・記録をしたら、さらに改善できるところがないかを分析します。

例えば、配送ステータスなら配送状況が「問題ない」ときと「遅延」のときを比較します。配送する荷物に違いはないか、配送の日時はいつか、どのルートで配送しているのかなど、配送時間にかかわりそうな点をリストアップし、ひとつひとつチェックするとよいでしょう。

3-3. 作業員の意見を常に聞く

前述したように、これまでの慣例にメスを入れると、現場から反発が出てくることがあります。実施すると業務改善につながることを丁寧に説明し、実行したとしても、納得がいっていない作業員は少なからずいます。また、最初は納得していたものの、実行後に不満を覚える人もいます。

そのため、改善に取り組んだあとも、引き続き作業員の意見を聞く、作業員が意見をしやすい環境を維持することが重要です。

4. 物流業務の改善にお悩みなら千趣会にご相談ください

会話をする男性

物流業務の改善は、一朝一夕でできるものではありません。また取り組んだ結果、作業員が不満をつのらせてしまった、コストがかさんでしまった、というケースもしばしばあります。

もし、そうしたことから改善になかなか踏み切れない、改善施策が持続しない、という場合は、物流業務を外部の会社に委託するのもひとつです。

外部の会社に委託すれば、今まで抱えてきた物流業務の課題に悩むことがなくなるだけでなく、物流業務に投じていた人的リソースをほかにあてて、より生産性を高めることが可能になります。

株式会社千趣会では、ベルメゾンを始めとする通販ブランドの運営している経験から、各事業者に最適な物流代行サービスを提供しています。ぜひご相談いただければ幸いです。

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千趣会はベルメゾンなどの自社ブランドで培った通販ノウハウと、年間2000万個の出荷を実現する仕組み・人材を持つ物流代行サービス会社です。各事業者の目的や課題を丁寧にヒアリングし、最適なカタチで受注から発送・梱包までをトータルでサポートすることが可能です。

  • ベルメゾンなどで培った通販ノウハウをもとに、最適なフルフィルメント企画・設計を提案
  • 自動倉庫の営業倉庫許可/高度管理医療機器販売業/化粧品製造業許可を取得
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