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ネット通販のキーマンたちが語る!知ってるようで知らない? 「EC事業とその仕事」

カタログと並び、商品とお客さまをつなぐ場として
中心的な役割を果たすベルメゾンネット。
その企画や運営に携わる3人のメンバーが、携わっている業務内容や、
今後のビジョンについて語り尽くします。

  • 第一章 EC部門の仕事領域
  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来
司会
今日は、当社のECサイトである「ベルメゾンネット」に関わる3名の方にお集りいただきました。
“ECに関わる仕事“というと漠然としたイメージを抱いてらっしゃる学生さんも多いかと思いますので、まずは皆さんが現在携わられている仕事を中心に自己紹介をお願いします。
KOSUKE
私が所属しているEC戦略チームは、ベルメゾンネットを知った方に訪問・購入していただくまでの仕組みや、売上げに繋がる施策を企画することがメインの業務となります。その中でも私は海外へのEC事業展開を中心に活動しています。
司会
海外への事業展開というと…?
KOSUKE
詳しくお話しすると、2014年頃から、ベルメゾンネットではアジアを中心に世界各国からのアクセスや購入が増えてきました。ただ、発送などに関してはいわゆる“転送サービス”をご利用の方が多いので、そういった方々にもっとラクに安心してお買い物していただける方法はないかと模索してきました。現在は、企画した複数のビジネスモデルを具体的に実現するために活動しています。
HIROKO
私も、KOSUKEさんと同じ部に所属していますが、KOSUKEさんは、EC部門の中でも“未来”部門担当。これからどうしていくかということを考えているチームですが、私のチームは、いつ・誰に・どこで・どのように販促していくか、という“今”を担当しています。
千趣会は多くのお客さまにご利用いただいている通販会社です。ですから、訪問された方全員に同じものをおすすめするのではなく、お客さまひとりひとりの購入履歴やお好み、属性など、蓄積したデータを活かして“それぞれのお客さまが、いつ・何を必要とされるか” に対して適切な商品を適切なタイミングでご提案できるよう、効率的な販促を考えます。最近では、メールでもひとりひとり違う内容でお送りする、といったことが増えているんですよ。
KOJI
私は、EC販売推進部という部署に所属しています。
ベルメゾンネットではファッションやインテリア、美容、グルメなど、様々なジャンルの商品を扱っていますが、それぞれのジャンルごとにどのような売り場をつくればお客さまによりお買い物を楽しんでいただけるか、ということを考えて企画するのが主な業務です。
具体的には、お客さまが商品をどういう風に探し、その後実際にご購入されているのかどうかのデータを集積・分析した上で企画に落とし込んでいく、ということをしています。
司会
なるほど。「ECに関わる仕事」と言っても、皆さんそれぞれ異なる仕事をされているんですね。今までに印象的だった業務や、最近こんなおもしろい仕事をした!といった事例はありますか?
KOJI
私はファッション全体のメールマガジンを担当しているんですが、メールマガジンがより多くの方の購入のきっかけになるよう、最近内容をガラッと変えました。
司会
どんな風に変えたのでしょうか?
KOJI
ベルメゾンネットでどういった方にどんな企画や商品が人気なのかを年齢別に分析して“30代の方にはこういう形でおすすめしよう、50代の方にはこれを見てもらおう”と――私たちの言葉で「出し分け」と表現しますが――それぞれのお客さまによりマッチした内容が届くようブラッシュアップを図りました。その結果、すぐに出し分けしたお客さまの反応があり、売上に直結したので非常に嬉しかったですね。
司会
売上はすぐに数値でわかるものなのでしょうか?
KOJI
はい。ECの場合はすぐに反応が出るので、それが仕事の中でも楽しみな部分ですね。もしダメだった場合も次に活かすようにすぐに検討できます。メールだったら送った翌日には結果がわかることも多いんですよ。
司会
なるほど。メールでの販促というと、HIROKOさんのチームと近い業務内容ですか?
KOJI
そうですね。私の場合は、その中でもファッションというジャンルに特化していることになります。
司会
HIROKOさんはいかがですか?
HIROKO
私のチームで最近力を入れているのが、お客さま毎に、“今”欲しいモノを提案する施策です。
イベント、記念日、旅行、引越し、天気などなど、お客さま毎に商品の購入目的は様々です。例えば、どこのECサイトでも雨の日には傘やレイングッズがよく売れます。今日使うわけではないのですが、次の機会の為に、雨が降った地域では購入されるお客さまが増えるんです。
司会
通販ならではの売れ方、ということでしょうか。
HIROKO
そうなんです。そこで、ベルメゾンネットでは各地の天気に合わせて雨が降っている地域の方だけに“雨の日グッズ”を自動的にご案内するようにしました。そうすると、やはりご購入いただく数が非常に増えたんです。
この成功を元に、次は気温と連動した表示を企画しようと動いています。気温も、わずか5度の差で売れるものがガラッと変わるんですよ。今後は地域ごとに必要なものをおすすめできるようにしたいですね。
司会
KOJIさんに比べると、サイトそのものの機能に関する企画が多いんですね。
HIROKO
そうですね。KOJIさんはジャンルに特化した売り場をつくる。私のチームはそれぞれの売り場を把握して、誰に・どのタイミングで表示すれば最大限アピールできるかの仕組みを整えています。
司会
KOSUKEさんのお仕事は海外展開ということですが、スケールの大きな話になりそうですね。
KOSUKE
私も始める前までは「世界が相手だ!」気構えていたんですが、いざ海外展開の仕事をやってみると、国内のECサイトなどと基本的な手順はあまり変わりません。ただ、技術面や商慣習の違いは大きなハードルがあります。
司会
確かにそれは苦労しそうですね。
KOSUKE
はい。商習慣については、私たちが当たり前と思っていることが、先方にとっては当たり前でないことが頻繁にあります。そういった部分が国内に比べてなかなか難しいのですが、逆に私にとってのやりがいでもあります。
司会
その国独自の商慣習やマーケティングの要素が重要そうですね。一方でECの専門知識についてはいかがですか?
KOSUKE
そうですね。ECの専門的な知識でいうと、一概には比較できませんが、日本の方が進んでいると感じます。実際、海外のECモールで用意されている機能や販促ツールは、日本に比べると発展途上だな、という印象です。
司会
アジア全体としては、今まさにEC黎明期を迎えようとしている、ということでしょうか。
KOSUKE
そうですね、そんな印象です。
HIROKO
日本のEC技術はアジアの中ではかなり進んでいますよね。
KOSUKE
日本はパソコンからECを育ててきた背景がありますが、アジアだけで見ると、スマホからECへ入っている国が多く存在します。その分技術力はまだ発展途上なんだけど、デバイスが既にスマホにシフトしている。技術が低い中、スマホサイトで商品をどのように訴求していくか、そこも難しかったりします。
司会
今お話を伺っていると、ECやITへの興味・関心さえあれば、意外にも高度な知識やスキルは求められていないと感じましたが、では、これから入社してくる学生の皆さんにはどんなことを期待されますか?
HIROKO
意外とECの知識が必要ないわけじゃないんですよ。あるに越したことはないんですけど(笑)
一同
(笑)
HIROKO
でも、売りたいという気持ちや興味があればみんなが教えてくれるし、最初はわからなくて当然なので周りがバックアップしてくれます。
ですから、いま就職活動していて「興味はあるけど知識がないから……」とためらっている学生さんには「大丈夫だよ」と言ってあげたいですね。
とてもやりがいがあっておもしろい分野なので、興味があるならぜひ、目指していただきたいです!
KOSUKE
お買い物をする楽しさを伝えたいだとか、欲しいものを探しているお客さまにどう応えようだとか、そういったことに対する興味が大きな力になります。
司会
「お客さまは何を考えているのか?」に興味を持てる人、それが大切だということですね。
ありがとうございます。
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  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来
  • 第一章 EC部門の仕事領域
  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来
司会
それでは次に、EC業界のトレンドなども交えてそれぞれの担当で取り組まれていることを教えてください。
KOJI
EC業界はいま、利用者も増えて上り調子です。私の担当分野であるファッションも、EC業界では景気がいいんですが……実は千趣会は少し苦戦しています。
司会
それは何故でしょうか?
KOJI
ファッションは比較的参入しやすい分野なので、競争相手がとても多いんです。その中で、いかにベルメゾンを選んでいただくか。それが常に課題となっています。 EC業界が好調ということは、ベルメゾンネットにもまだまだ伸びしろがあるはずなんです。ですので、当社もこの流れにのって、「ベルメゾンで買おう」と思っていただける常連さんを増やしたいですね。
司会
ベルメゾンを選んでもらうために、ポイントとなるのは何だと思いますか?
KOJI
千趣会の強みは“千趣会でしか買えないオリジナル商品が多数ある”という点です。まずは1度買っていただいて、品質の良さを知ってもらうことが重要だと考えています。
司会
確かに、千趣会のように作り手と販売元がひとつになっているのは珍しいですよね。
KOJI
そうですね。なかなかないユニークな企業だと思います。品揃えも豊富ですし、もっと多くの方に知っていただきたいと思っています。
HIROKO
EC業界の最近のトレンドには、スマホの普及や、LINEなどのサービスが定着してきたことが大きく影響しています。そこで、ベルメゾンネットでは、いま「One to One(ワントゥーワン)マーケティング」をどんどん進めています。
司会
「One to One」とはどういったものでしょうか?
HIROKO
“人×モノ×タイミング”を元にしたサービスです。
サイトに来たタイミング、買ったタイミングなどから、適切なタイミングに商品のアプローチをかけたりだとか、カートに入れた商品を1週間後に改めてお知らせするだとか。また、そういった出し分けをするのはLINEがいいのか、アプリのプッシュ通知がいいのか、それともメールがいいのか?など、テストしながらより充実した内容になるよう試行錯誤しています。
司会
LINEでも個人別に通知ができるのですか?
HIROKO
できるんですよ。千趣会だけでなくEC業界全体でまだまだ手探りの段階ですが、技術はどんどん進んでいます。
「いつ・何をおすすめするか」が売上げに繋がる一番大事な部分なので、模索する日々です。
司会
具体的には、お客さまに対して現在どういったアクションを実施されているのでしょうか。
HIROKO
例えば、特定のジャンルの商品を数ページ閲覧すると、別のサイトに移動しても広告ページでそのジャンルのランキングが表示されるようにするとか、ワンピース・チュニック特集を見たけど買わなかったという人には、次の日にワンピース・チュニックのランキングや、その人の履歴からおすすめ品をメールで送るようになっています。しかも、服と家具などでは購入までの検討期間が違うので、そもそもメールを送るタイミング自体も変えます。そういったことを戦略的に考えるのが楽しい。
司会
非常に緻密ですごい施策ですね。
HIROKO
すごいんです(笑)。技術が進んでいるのであとはそれらをどう活用するかですね(笑)。
その中で活きてくる“千趣会の強み”は、過去にご購入いただいたお客さまの情報が非常に多いということ。情報が多いから、より良い施策にたどり着くまでに出来ることがたくさんあるんです。
KOSUKE
私は、今まさに取りかかっている越境EC(国を超えたEC販売)が、EC業界全体でも一つのトレンドとなっています。
越境ECのモデルケースとしては、各国の“越境モール”と呼ばれるECモールに出店することですね。わかりやすい成功モデルがまだない中、仮説でもいいのでビジョンを据えて進めることが非常に重要な課題です。
司会
ということは、今は色々なモデルをトライしている時期ということでしょうか。
KOSUKE
そうですね。出店先それぞれの国にとって、どんなビジネスモデルが最適なのか。同時に、千趣会にとって利益の出るモデルはどういった形なのか。2つの観点から、複数のビジネスモデルを同時多発的に仕掛けています。
司会
なかなか挑戦しがいのありそうな仕事ですが、KOSUKEさんが感じている面白さややりがいはどんなところですか?
KOSUKE
いま、私の部門だけでは対応できないことが結構多いんです。例えば、海外のお客さまが購入されたものをどうやって届けるか、という“物流”や、お客さまからの問い合わせにどうやってお答えするかの“顧客対応”。
それぞれを海外仕様で考えていくのはまったく新しいチャレンジなので、全社一丸となってプロジェクトチームを立ち上げました。異なる部門の人たちをまとめて成果を上げていくことで、会社の大きな課題に立ち向かっているなぁと面白さを感じています。
司会
そのプロジェクトはどのような部署のメンバーが集まっているのでしょうか?
KOSUKE
顧客対応・物流・EC・商品担当・法務審査など、多岐にわたる部署からメンバーが集まっています。
司会
本当に全社を挙げてなんですね。部門を超えてプロジェクトを率いるのは大きなやりがいになりそうですね。 HIROKOさんは、ご自身の仕事のやりがいについていかがですか?
HIROKO
データを分析して「これを買った人は次にこれが欲しいんじゃないか」とか「これを買った人にはこれをおすすめしたい」と、どんどんシナリオを作っていくのが難しさでもあり、楽しさでもありますね。他社で実施されている施策ももちろん参考にしながらも、ベルメゾン“ならでは”のもっと新しいもの、お客さまが思いも寄らなかったような楽しさを提供していきたい。
そのためにも、サイトやメールで1日に何十本というテストを実施しています。
司会
何十本!すごいですね。成功率はどのくらいでしょう?
HIROKO
実は半分以上失敗するんです(笑)。 思ったような成果を出し続けるのは難しい。でも、データや統計がすぐに出る仕組みがあって、みんなが確認できるようになっています。自分は何パターン試して、何がうまくいって何が失敗したか。改善すべき対象が常連のお客さまなのか新規のお客さまなのか、男女別なのか、全部わかるようになっているので、それを見るのが楽しい。成功した時の達成感もあります。
司会
なるほど。失敗しても毎日トライできる環境があるんですね。
HIROKO
はい。難しい分析能力は二の次なんです。チャレンジ精神が一番大切。
また、ベルメゾンネットは他のECモールと比べられることが多いのですが、他社さんとの違いはKOJIさんも言っていた「自社商品を売っている」という点です。
商品を流通させるだけではなく、同じ会社の仲間が作り出している商品を売る楽しみ。どうやったらお客さまに良さが伝わるか、必要としてくれる人の手元に届くか。それを考えるのもベルメゾンのEC担当としての醍醐味です。
KOJI
ECサイトだけでなくベルメゾン全体に言えることなんですが、お客さまの顔が直に見えない点が難しいなと感じることがあります。
モニターアンケートなどはよく実施しているんですが、アンケートにお答えいただける方はベルメゾンをよく利用してくださる方が多くなりがちです。1度ベルメゾンでお買い物をしたけど2度目がなかった人とか、初めてベルメゾンネットを見たけど探していたものがなくてそのまま離れてしまった人とか。そういった方々の「買わなかった理由」を拾うことが難しいですね。
売り場を考えていく時は、そういう人たちのことを想像しながら作っていかないといけないのです。
司会
そこは、ご自身で考えたり過去のデータを使ったりして考えるんですか?
KOJI
そうですね、数年のデータ推移を見て伸びている点や足踏みしている点に着目して考えます。あと「やってみないとわからない」ことが多いので、HIROKOさんのようにテストを繰り返すんですが……実は、新しいことをやってみると「今まで通りでよかったんだ」ということも結構あります。日々試行錯誤で、難しいですが、なんでもチャレンジできることがすごく楽しいです。
司会
HIROKOさんから失敗が多いという話もありましたが……。
HIROKO
失敗するのが常なんです。でも、どうしてダメだったのかを考えて、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)をすばやく回していくことが大切ですね。 1回成功すると、億単位で売上げに繋がるんですよ。楽しいですよ!
司会
自分の施策で会社の売上げを何億円も伸ばせるというのはすごいですね。
HIROKO
今年で言うと、20代の若手社員が企画した1つの施策……アプローチを少し変えただけで何十億円と売上げを伸ばしたものがあります。苦労が報われる瞬間ですね。
  • 第一章 EC部門の仕事領域
  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来
  • 第一章 EC部門の仕事領域
  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来
司会
それでは最後に、今後取り組んでいきたいことを教えてください。
KOSUKE
いま、千趣会初の海外進出に注力していますが、まずは1つの国で成功モデルをつくりたいです。そして早いタイミングで、2ヵ国目、3ヵ国目と展開を図っていくのが野望です。アジア全体へ向けて、ベルメゾンの売り場を作っていきたい。
司会
各国それぞれの難しさがあるのでしょうね。
KOSUKE
アジア圏内だけでも、商売に関する制度や関税などがよく変化しますしね。簡単ではないと思います。でも、会社全体の今後の成長を考えるうえでは、売り場を広げるという意味で海外進出は必須だと考えています。
その時々でタイミングを見極める目を養って、積極的にトライしていきたいです。
HIROKO
私は、お客さまに「千趣会はいつもいいタイミングで欲しいものをおすすめしてくれる」「自分に合った情報が届く」と思っていただきたい。お客さまにとって、もっともっと“すぐそばにあるショップ”を目指しています。
そのためには、EC部門とカタログやDMをお客さまに届ける部門が今以上に連携していく必要があると思っています。
スマホ、アプリ、カタログなど、どこでベルメゾンの情報と接していただくことが効果的なのかは、お客さまひとりひとり違うと思います。いまはそのシナリオを作ってテストしている段階です。
KOJI
私はメンズのファッションを担当していますが、いま、実際の購入者は9割近くが女性なんです。旦那さまやお子さまの衣類を代理で購入してくださっている方が多い。男性のお客さまがまだまだ少ないように感じます。
ゆくゆくは、男性のお客さまをもっと増やしていきたい。それが私のテーマです。
司会
このページをご覧になった学生の皆さんには、千趣会のEC事業やそこに関わる仕事について、より身近に感じていただけることと思います。今日はありがとうございました。
一同
ありがとうございました。
  • 第一章 EC部門の仕事領域
  • 第二章 EC業界の現状と千趣会の強み
  • 第三章 今後の課題と思い描く未来

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